2026年4月22日、商工省は国家電力系統におけるピーク時間帯、オフピーク時間帯および通常時間帯の枠組みに関する決定第963/QĐ-BCTを公布しました。本決定は2026年4月22日に施行され、現在も有効です。
これに基づき、国家電力系統における各時間帯は以下のとおり定められております。
ピーク時間帯:
・月曜日から土曜日:午後5時30分から午後10時30分まで(1日5時間)
・日曜日:ピーク時間帯はなし
通常時間帯:
・月曜日から土曜日:午前6時00分から午後5時30分まで、および午後10時30分から午前0時まで(1日13時間)
・日曜日:午前6時00分から午前0時まで(1日18時間)
オフピーク時間帯:
・全ての曜日:午前0時から午前6時まで(1日6時間)
ベトナム電力公社の責任:
・上記規定に従い、国家電力系統におけるピーク時間帯、オフピーク時間帯および通常時間帯の枠組みを実施すること
・毎年12月15日まで、または国家電力系統の負荷曲線に変更が生じた場合には、商工省に報告し、当該枠組みに関する規定を提案すること
国家電力系統・電力市場運営有限責任会社(一人有限責任会社)の責任:
・国家電力系統におけるピーク時間帯、オフピーク時間帯および通常時間帯の算定・決定に必要な設備容量、発電量、負荷曲線その他関連データの提供について、ベトナム電力公社と連携すること
・毎年12月15日まで、または国家電力系統の負荷曲線に変更が生じた場合には、商工省に報告し、当該枠組みに関する規定を提案すること
今回の改正により最も大きな影響を受けるのは、製造加工業となります。
特に夕方~夜に稼働しているラインについては、直接の電力コスト増要因となります。
夜間(0:00~6:00)へのシフトや日曜稼働の活用、バッチ処理工程の時間移動等の対策も考えられますが、実務は勿論、労働契約書や就業規則の改訂、深夜労働手当等検討すべきイシューが相応にあり、即時に変更できるところというのは極めて少ないと拝察されます。
また小売・外食(例:飲食チェーン)等も相応の影響を受け得るところです。
ピーク時間=営業ピークと重なり、且つ製造加工のように主導的にピーク時間を変えることも実際上不可能であるためです。
対策として省エネ設備導入(空調・冷蔵)やデマンド管理も一応考えられますが、小規模なところやそもそも損益分岐ギリギリで運営しているところ等、今回の改正に伴う追加投資が難しいところも多々あると拝察されます。
他方、ピーク時間が通常時間帯に重なるオフィス業務については、影響は限定的ということになります。
実務的な注意点として、商工省電力局の2026年4月24日付文書第1026号によれば、本決定963は、商工省が平均小売電力価格を調整した後に適用されるとされています。つまり、本決定施行即新たな料金適用とはなりません。
加えて、上記の通り今後商工省への報告義務があることから、時間帯区分は将来的に見直される可能性あるということになります。特に再エネ比率の上昇や電力需給逼迫等の事由により、ピーク時間帯が変更される可能性も相応にあるところです。
当社では本件のような日系企業の運営に影響を及ぼす法令改正について、情報提供や改正に纏わる種々の法務労務コンサルティングを提供しております。もしそのような需要があれば、是非info@ags-vn.comまでご連絡下さい。
ではまた。