2026年5月26日、首相は「2026〜2030年期間における国家デジタル身分証明アプリケーション(VNeID)開発プロジェクト、および2045年までのビジョン」を承認する決定第940/QD-TTg号を発行しました。同プロジェクトが掲げる主要目標の一つとして、2030年までにベトナム市民の100%がレベル2のVNeIDアカウントを保有し、希望に応じて決済口座や電子マネー(電子ウォレット)の情報がVNeIDに統合されることが目指されています。
1. VNeIDをスーパーアプリへと開発
本プロジェクトのもと、VNeIDは国家デジタルエコシステムの中心的なプラットフォームとして機能する「スーパーアプリ」へと開発される予定です。このアプリケーションは、開発トレンドに沿った先進的かつ現代的なテクノロジーソリューションを採用することにより、高い処理能力と柔軟な拡張性を備えることになります。
VNeIDは、コアアプリケーションおよび基盤アプリケーションのための「中央集中型アーキテクチャ」と、コンポーネントアプリケーションのための「分散型アーキテクチャ」の両方を提供し、官民の統合や協力を可能にします。その際、不可欠なアプリケーションやサービスが優先されます。このプラットフォームは、ユーザーフレンドリーで利便性が高く、安全かつ費用対効果に優れ、ユーザーがデジタルサービスにアクセスする際のインシデント(手間)や時間を削減することが期待されています。
VNeIDで利用可能なデジタルユーティリティやサービスは、明確なロードマップと実務上のニーズに基づき、同期された形で継続的に拡張・開発されます。このような開発は、制度改革、デジタルインフラの強化、テクノロジープラットフォームの開発、データの統合、リソースの配分、そして実施能力の向上と密接に関連付けられます。
VNeIDの開発、運用、および利用の全過程を通じて、情報セキュリティと個人データの保護が担保されます。システムは、適用される法的規制を厳格に遵守し、国家的に重要な情報システムに適用されるセキュリティ要件を満たさなければなりません。
2. 2030年までに市民の100%がレベル2のVNeIDアカウントを保有
本プロジェクトでは、2030年までに達成すべき以下の主要目標を設定しています。
– 2030年までのロードマップに従い、VNeIDデジタルエコシステム全体の開発を完了すること。このエコシステムには、企業、家庭ビジネス(個人の事業主)、生産・営業活動を支援するデジタルユーティリティのほか、各省、省相当機関、地方自治体、組織、企業が提供し、VNeIDに統合されるデジタルサービスやユーティリティが含まれます。
– 市民の100%がレベル2のVNeIDアカウントを保有し、個人のニーズに基づいて決済口座や電子マネーの情報をVNeIDに統合できるようにすること。
– 対象となるすべての市民に、オンラインのパブリック(行政)サービスで使用するためのデジタル署名証明書を発行すること。また、個人や企業の民事・商業取引を円滑にするため、信頼性の高いデジタルサービスを完成させ、VNeIDと統合すること。
– VNeIDに統合されるユーティリティおよびサービスの少なくとも70%に人工知能(AI)技術を組み込み、サービスのパーソナライズとユーザーエクスペリエンスの向上を図ること。
– ユーザーの少なくとも70%が、キャッシュレス決済サービスへのアクセス権を持ち、VNeIDを通じて不可欠な公共料金等の支払いをできるようにすること。
– ユーザーの少なくとも70%が、VNeIDエコシステム内のサービスやユーティリティに定期的にアクセスし、利用している状態にすること。
果たして思惑通りに進むでしょうか?
寸評は一旦控えますが、一時滞在許可証/TRCを所有していない外国人が”置いてけぼり”になっている状況がいつまで続くのか、VNeIDの普及状況と併せて注視を要するところです。
当社では上記のような法務updateの他、法務労務周りのコンサルティングを幅広に提供しております。
そのような需要があれば、是非info@ags-vn.comまでご連絡下さい。ではまた。