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【法務部ニュース】最新法令のアップデート:2019 年 6 月

1. 国家賃金評議会による2020 年最低賃金に関する協議
 2019 6 14 日に開催された国家賃金評議会において、ベトナム労働総同盟は 2 つの案を提示しました。
 1 つ目は、地域によって異なりますが 180,000380,000VND/(7.716.3USD/)の範囲で平均 8.18%最低賃金が上昇するものです。2 つ目は、160,000330,000 VND/(6.914USD/)の範囲で平均7.06%最低賃金が上昇するものです。
 これらの案から実際の社会経済状況によって最終的に選択、決定されることになりますが、ベトナム労働総同盟によると、これらの提案は国内総生産(GDP)7%、消費者物価指数(CPI)4%、労働生産性が 5%上昇するとの見込みに基づいて算出されています。労働総同盟側からはこの提案が受け入れられない場合には労働
者の生活は非常に困難となるとの意見が出されています。
 他方、使用者側を代表するベトナム商工会議所は 2%の上昇を提案しています。加えて、72%の企業が 2019年の最低賃金の少なくとも 6%を上回る賃上げを実施したとも述べています。
 今後は、2019 7 月頃に国家賃金協議会において 2020 年の最低賃金案をまとめ、政府に報告提案する予定です。
 なお、ここ最近の最低賃金の上昇率について、2017 年から 2018 年にかけては 6.17.0%(地域によって異なる)2018 年から 2019 年にかけては 5.05.8%になっています。

【参考:2017 年からの最低賃金の上昇】

2017年  2018年 前年比上昇率
第 1 地域 375 万 VND 398 万 VND
(約 20,117 円)
6.1%
第 2 地域 332 万 VND 353 万 VND
(約 17,842 円)
6.3%
第 3 地域 290 万 VND 309 万 VND
(約 15,618 円)
6.6%
第 4 地域 258 万 VND  276 万 VND
(約 13,950 円)
7.0%
 
2018 年 2019 年  前年比上昇率
第 1 地域 398 万 VND 418 万 VND
(約 20,796 円)
5.0%
第 2 地域 353 万 VND 371 万 VND
(約 18,458 円)
5.1%
第 3 地域 309 万 VND  325 万 VND
(約 16,169 円)
5.2%
第 4 地域  276 万 VND  292 万 VND
(約 14,527 円)
5.8%

2. 改正税管理法の制定
 2019 6 13 日、第 14 (2016 年~2021 )7 回国会において、現行の税務管理法 No.78/2006/QH11にとってかわる改正税務管理法が可決されました。
 改正法は 2020 7 1 日に施行されます。改正法による主要な追加、修正事項は以下のようになっています。
 なお、納税義務を履行していない者のベトナムからの出国禁止については現行法においても規定されており、第 53 (出国に際する個人による納税義務の履行)において「海外に移住するためにベトナムを離れるベトナム人、海外に在住するベトナム人及びベトナムから離れる外国人は出国前に納税義務を履行しなければなら
ならない。出入国管理機関は税務管理機関の通知に従って納税義務の履行を懈怠する個人の出国を停止しなければならない。」と規定されています。

現行税務管理法(No.78/2006/QH11) 改正税務管理法
1 第 4 条 税務管理原則
1.  税金は国家予算の主要な財源である。法令に従って税金を納めることは全ての法人及び自然人の義務及び権利である。機関、組織及び個人は税務管理に参画するものとする。
2. 税務管理は本法及びその他関連する法 令条項に従って実施されるものとする。
3. 税務管理は開示性、透明性及び平等性を担保し、納税者の法的権利及び利益を保障しなければならない。
左記の税務管理原則の中に 2 つを追加する。
・ 納税者の納税義務の確定において、実質主義の原則を適用する。
・ 税務管理に電子申告の原則を適用する。
2 該当規定なし 税務管理法において電子申告に関する規定を追加する(第 8 条)。
第 8 条 税務における電子申告
1. 本法及びその他関連する法令に基づき、税務における電子申告の条件を満たす納税者、税務管理機関、国家管理機関、組織、個人は税務管理機関に対して電子申告をしなければならない。
3 第 17 条 税務管理における国際協力
その機能及び法令の規定に従い、権限の範囲内において税務管理機関は以下をしなければならない:
1. ベトナム社会主義共和国が締約国である条約に基づき、権利を行使し、義務を履行し、且つベトナム社会主義共和国の利益を保障する;
2. 外国の税務当局との二国間協定の交渉、締結及びその実施;
3. 外国の税務当局及び関連する国際機関との間での情報の取得、交換及び専門的協力。
ベトナムが締結した国際条約に基づく援助方法の
規定を補足する(第 12 条 4 項)。
第 12 条 4 項
ベトナムの税務管理機関は、納税者がベトナムを不在にする時に海外税務管理機関等に対して、海外
でベトナムに関する税金を徴収するための支援を依頼する。他方、外国の税務管理機関に対して、その税金を徴収に関する援助を実施する。
4 第 31 条 納税申告書類
2. 年次で算出される税金に関し、納税申告書類は以下からなる:
a/ 年次納税申告書及び未払納税額の決定に関連するその他の書類を含む年次納税申告書類
b/ 暫定的に計算された納税申告書及び暫定的な税額の決定に関連するその他の書類を含む暫定的に計算された税額に関する四半期納税申告書
c/ 年次確定申告書、年次財務諸表及びその他の税額確定に関連するその他の書類を含む年末確定申告書
第 43 条 納税申告書類
2. 年次で算出される税金に関し、納税申告書類は以下からなる:
a/ 年次納税申告書及び未払納税額の決定に関連するその他の書類を含む年次納税申告書類
b/ 年次確定申告書、年次財務諸表、移転価格文書及びその他の税額確定に関連するその他の書類を含む年末確定申告書
5 第 37 条 税法違反の場合における申告納税する
納税者に対する税務評価
1.納税申告の方法による納税者は以下の場合に税務調査の対象となる:
a/ 税務登録を懈怠した場合;
b/税務申告書の提出を懈怠した場合;又は税務申告書類を提出期限後又は延長期間終了後の10 日後に提出した場合;
c税務申告を懈怠した場合、又は税務局からの要請がある場合に追加書類の提出を懈怠した場合、不正確、不誠実及び不十分な書類に基づき税務申告した場合;
d/納税義務の決定に関し会計帳簿への記録を懈怠した場合、又は不十分、不正確及び不実の記録をした場合;
e/会計帳簿、インボイス、帳票及び規定された期間内の納税額の決定に関連するその他の必要書類の作成を懈怠した場合;
f/市場における一般的取引価格に準拠していない購入、販売、交換、価値評価をした場合;
g/納税を回避するための資産売却又は分散の兆候がある場合。
現行法の規定に加えて、下記の 2 つ場合を追加する。
h)納税義務を減らすのために、経済的本質等に不
適合な取引を実施した場合。
i)移転価格に関する規定を遵守しない場合。
6 第 34 条 税務申告における追加申告
1.税務署が納税義務者の事務所において税務審査又は税務調査の通知前に、納税義務者が納税額に影響を与える税務申告書類の提出に関する過誤を発見した場合、納税申告書類の追加提出をすることができる。
「税務署による決定後であっても、納税義務者は納税申告書類の補完をすることができる。但し、納税義務者は延滞金10%を支払わなければならない。」という内容を追加する。

以上

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