皆さまはじめまして。
AGSリクルートメント部でインターン生をしております、松本望と申します。
今回より毎週ブログを書かせていただくことになりました。
少しでも皆さまのお役に立てましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いします。
今回はベトナムの「メディア・SNS事情」について紹介したいと思います。
ベトナムでは現在Twitterを使用することができません。近年経済成長が著しいベトナムといえどもやはり社会主義国家。政府による規制が厳しいのでしょうか?
日本とはメディアのあり方が違うのでしょうか。
ベトナムでは新聞・テレビ・ラジオなど、すべてのメディアが国営であり、デモや集会も原則禁止されているため、国際社会からは「言論の自由が制限されている国」と見なされているのが現状です。
国際的なジャーナリスト集団である「国境なき記者団」が発表した2015年版「世界の報道自由度指数」によると、ベトナムの報道の自由度は180ヶ国中で175位と、とても厳しい評価を下されています。(ちなみに176位に中国がランクインしています。)
参照:「2015 World Press Freedom Index」
ソーシャルメディアの1つであるSNSも、ベトナムでは規制されてきました。
「ベトナム政府は9月から、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で新聞などの記事や政府に関する情報を提供、交換することを禁じる。(中略) 新たな規制はブログやFacebook、Twitterなどで一般的な情報や、新聞、通信社、政府のウェブサイトなどから情報を転載、引用することを禁じ、「私的な情報の提供と交換」に限定する。」(参照:産経新聞2013/08/05)
このように、ベトナムでは日本のようにSNSを利用して自由に意見を発信することが難しい状況でした。
ではベトナムではSNSはあまり普及していないのでしょうか?
実は、現状はまったく異なります。
ベトナムではFacebookが最も利用者の多いSNSなのですが、
Facebookの月間アクティブユーザー数は3000万人(総人口9000万人の30%)を超えるとされています。(参照:ベトナム紙トゥオイチェー 2015/06/17)
日本のアクティブユーザー数が2400万(総人口1億2000万人の19%)なのを考えると、
驚くべき普及率であるといえると思います。
参照:「アジア各国のFacebookユーザー数」
ここまでFacebookが普及した理由としては、これまで政府主導で行なってきたIT政策によりWi-Fiの普及率が非常に高い、アンドロイドが安くSimフリーであり、PCが普及する前に安価なスマートフォンが登場し普及した、などの要因があります。また現地語でのインターフェースやセキュリティ対応のSNSが無かったこともあり、信頼性のある情報源としてFacebookが普及したと見られています。
SNS利用者の拡大は政府も看過できなくなり、ベトナム首相は今年の1月の会合で、
「インターネットに国民が情報を投稿するのを禁止・制限するのは不可能だ。(中略) 多くの国民がインターネットやソーシャルメディアを使っており、私達も政府の公式の情報をソーシャル・ネットワークに投稿する必要がある。」
SNSの存在を受け入れつつ、政府としてもSNSを効果的に利用することが重要であると述べました。(ベトナム紙トゥオイチェー 2015/01/16)
このようにベトナムにおいてSNS、特にFacebookの利用価値は見過ごせないものになっています。(ちなみにTwitterは規制され続けている様ですが、普及率が8%程度と低いため、特に反発も起きていません。)
ビジネスの面でも、例えば、日系企業向けベトナム人材紹介会社がFacebookを利用してベトナム人材に求人広告を届けているのをよく目にします。
ベトナムでのビジネスにおいても、SNSは重要なキーワードになってきているようです。
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