皆さん、こんにちは。AGSスタッフです。本日は、標題の件についてです。
2026年2月13日、政府は、国外追放手続中におけるベトナム法違反外国人に対する国外追放措置、留置、行政護送手続、および管理を定める政令第59/2026/ND-CP号を公布しました。
本政令は2026年4月1日から施行され、政府の2021年12月31日付政令第142/2021/ND-CP号に代わるものです。従前の規定と比べると、政令第59/2026/ND-CP号は、ベトナム法に違反した外国人に適用される国外追放措置に関して、いくつかの注目すべき変更を導入していますが、今回はそのうち国外追放の対象者に関する点についてupdate差し上げます。
1. 国外追放の対象者について
政令第59/2026/ND-CP号第5条によれば、国外追放措置の適用対象者には、以下が含まれます:
ベトナム社会主義共和国の領域、接続水域、排他的経済水域、大陸棚において、またはベトナム国籍の航空機もしくはベトナム国旗を掲げる外航船舶上において行政違反を行い、かつ、行政違反処理法および関連分野における行政処分に関する政府政令に従って国外追放措置の対象となる外国人。
従前は、政令第142/2021/ND-CP号第5条の下で、国外追放措置の適用は主として行政違反処理法第27条を参照して行われていました。しかし、政令第59/2026/ND-CP号の下では、この法的根拠は拡大され、さらに各個別分野における行政処分に関する政令も参照されるようになりました。この変更は、国外追放処分の対象となる事案を判断する法的根拠が、より明確で、より包括的であり、かつ各分野固有の処分制度の特性により即したものとなったことを示しています。
実務上、労働、治安・公共秩序、出入国管理、教育、職業教育などの分野におけるさまざまな行政処分規定において、すでに外国人が国外追放の対象となり得る場合が認められています。具体的には、労働分野において、政令第12/2022/ND-CP号第32条第5項は、同条第3項に規定された違反、たとえば、労働許可証を有せずに就労すること、または法令に基づく労働許可証免除確認書を有せずに就労すること、あるいは有効期限の切れた労働許可証または有効期限の切れた労働許可免除確認書を使用することを行った外国人労働者について、国外追放を定めています。
同様に、出入国管理分野においても、政令第282/2025/ND-CP号第21条第11項は、出国、入国、通過、居住および移動に関する一定の行政違反について、外国人に対して国外追放を適用する決定の仕組みを定めています。たとえば、偽造旅券の使用、一時滞在証明書、一時滞在延長書類もしくは一時滞在カードの使用、またはベトナムにおける永住カードの更新を所定期間内に行わないことなどの行為は、いずれもこの処分の適用を検討する根拠となり得ます。
2. その評価について
今回の改正は国外追放の根拠と手続を整理・明文化しつつ、外国人側の手続保障も少し強化した という性格が強いです。他方で、実務上は 当局の運用がよりやりやすくなる改正 でもあり、外国人雇用企業にとってはリスク管理の重要性が上がったとも見得るところです。
外国人雇用の観点では、今回の改正は、無許可就労、WP免除確認不備、期限切れWP利用、在留書類不備といった、従前から危ない領域について、国外追放まで含めたリスク認識を再確認させるものです。労働分野では政令12/2022/ND-CP、出入国分野では政令282/2025/ND-CPのような個別政令との接続がより意識されるため、今後の実務では「単なる行政罰金で済むのか、国外追放まで行くのか」の切り分けがこれまで以上に重要になります。
日系企業の実務としては、次の3点が重要です。第一に、WP・WP免除確認・TRC・ビザの有効期限管理を法務ではなく現場任せにしないこと。第二に、違反発覚時の初動フローを決めておくこと。具体的には、現場責任者、HR、外部法律事務所、本国本社、大使館連絡の順序を事前に固めるべきです。第三に、当局対応の記録化です。今回は手続自体がより文書主義になる方向なので、会社側も提出物、説明、受領証、面談記録を丁寧に残すほど有利です。これは単にコンプライアンスの話ではなく、国外追放の回避・延期・軽減を狙ううえで実務的に重要と言えます。
3. 終わりに
今回は国外追放の対象者についてのみ掲示しておりますが、顧問先向けには対象者の権利や義務、罰金と国外追放が併科された場合の処理、国外追放措置の提案手続やその執行延期等、網羅的にupdateを差し上げております。
もしご興味あれば、是非info@ags-vn.comの方まで一度ご連絡下さい。ではまた。