皆さん、こんにちは。本日は標題の件についてです。
ホーチミン市のレタントン界隈及びファンビッチャン界隈は既にラーメン激戦区で、日本の地方都市を遥かに凌ぐ軒数とレベルに達しています。そんな中単にラーメンという切り口で四傑を挙げることは最早不可能であり、それを前提に一旦、ラーメンの最も基本と言える清湯(ちんたん)醤油について有力どころを紹介差し上げたく思います。
1. はじめに 清湯醤油の定義について
家系や二郎系、最近東京で流行りのちゃん系らにも言えますが、そもそも清湯醤油の定義について粗々でも決めておくことがまずは肝要です。解釈に亘る余地は勿論あるものの、今回はAIの定義、即ち”乳化を抑えて澄んだ清湯スープを用い、醤油ダレによって味の輪郭を与えたラーメン”とします。進んで、清湯 = 乳化させない/濁らせない、見た目は透明〜琥珀色、鶏・豚・魚介いずれでも可、油脂は表層的・少量とします。また横浜駅界隈の話になってしまいますが、中華そば 維新商店や、その派生である上星商店のようなイメージです。
2. とみだや

トップバッターは、元祖行列店のとみだやさん。私が訪越した2014年半ばには既にレタントンに君臨しており、当時ラーメンを並んで食べるという概念のなかったであろうベトナム人及びベトナムの外国人に衝撃を与えつつ、それでも圧倒的なクオリティで行列させていた名店です。紆余曲折経て今はファンビッチャン店のみとなっていますが、元祖のラーメン及びつけ麺の他、タオディエンの75TD(閉店)で出していた塩ラーメンや、おそらく移転後提供し出した東京豚骨ラーメンも楽しめます。
とはいえ、勿論看板は醤油ラーメン。正油(ママ)ちゃー玉を発注した(左上)ため丼顔がややごちゃついてしまっておりますが、麺リフトしてあげる(右上)と、清湯ながらも相対的にガツンと来るスープに絶妙に合う細麺が顔を覗かせてくれます。口内で蕩ける叉焼も当然健在です。多めの刻み長ネギが、途中で訪れ得る特製のもったり感をバシッと打ち消してくれます。
炒飯(左下)は胡椒やラーメンスープで味変しながら食べ進めます。写真はフルサイズですが、余程大食いの方以外、ラーメンと合わせるのであればハーフサイズの方が安全です。文脈からはずれますが、清湯醤油つけ麺(左上、LL = 400g)も絶妙な味わいと、大満足のボリューム感です。つけ汁は大勝軒系というより、寧ろ元祖つけ麺大王系を意識されているのかもしれません。”当店は街中華ではないため、餃子は出しません”の矜持は、街中華化に活路を見出したつけ麺大王系と真逆に、今も護られています。
3. 鶏そば ムタヒロ

二番手は鶏そば ムタヒロさん。レタントン15Bヘムの最奥で、7乃至8年くらい前から同じところに店を構えています。同じ場所で長くやっているというのが、全てを物語っていますね。国分寺の名店で数多のYouTuberも訪れていますが、私は未訪です。逆に、そのレベルのラーメンをホーチミン市で食べられることに感謝ですね。キッチュな制服/制帽も、ラーメン屋さん離れした可愛らしさです。
特徴はやはり、何と言ってもガツンとくる鶏出汁です。目を瞑って一口スープを飲むと、脳内に鶏達が襲来してくれます。加水率高めの麺も、程よくスープを持ち上げてくれます。特製(左上及び右上)の場合、二種類の叉焼でボリュームたっぷりです。胸肉の方はしっかり、脂多い方は蕩ける系で、勿論どちらもレベル高いです。途中から付け合わせのショウガや胡椒で味変し、一気に食べられます。前記とみだやさんの長ネギの役割を、こちらではショウガに託しているのなと思います。味玉は半熟めで、一口で食べきるかスープ内で割るか、中盤~後半に各々意思決定を要することになります。
叉焼炊き込みご飯は、一転して優しい味。叉焼たっぷり、しっとり系です。スープのインパクトが強い店なので、それをより楽しむのであれば、提供されているか定かではありませんが白飯にしてスープにダイブさせた方がより楽しめるかもしれません。
4. 深遠 初代/Shoday Ramen

続いて深遠 初代さん。こちらは北海道 小樽の名店。勿論遠過ぎて、本店には伺ったことはないものの。
こちらといい、清湯には属さず今回は取り上げなかった梅光軒さん@高島屋の醤油ラーメンといい、北海道は醤油ラーメンの引出も多いですね。すみれ関内駅店等、とかく味噌に注目されがちですが。真正面から北海道味噌ラーメンを銘打って出していた田所商店/みそやさん(閉店)も、懐かしく思い出されるところでもあります。
こちらの熟成醤油は、Yoasobiさんらも驚くくらいの正に唯一無二です。金属製の丼からスープを掬って飲むと、熟成醤油の香ばしさが口から鼻に超音速で駆け抜けていきます。贅沢 = 特製(左上及び右上)はやはり見た目が散らかってしまいますが、シンプル(左下)だとその美しさが際立ちます。おそらく小樽本店のそれは、麵線も更に揃った芸術的なアピアランスなのではないかと拝察します。毎回麺リフトを失念しておりますが、超熟製麺もスープに引けをとらないインパクトです。中細~中程度の太さながら非常に食べ応えがあり、ワシワシガシガシ喰らっていく系のそれです。辛味噌(右下)も勿論美味しいですが、この店ではやはり醤油がマストトライとなります。麺量も、大盛 = 150g及びダブル = 200gに増やすことができます。また、こちらはCapichiだけでなく、相対的にお得な値付けが多いGrabでもデリバリー頼めるのもいいところです。その場合、経時劣化が相対的に緩いと思われる、油そばや炒飯、餃子がお勧めです。
旧花街ゴーバンナムという、Quan Bui以外のお店がなかなか定着しない立地で若干苦戦しているように見えますが、是非頑張って頂きたいところです。味仙一号店(以前漫画喫茶があったところ)がこちらの二号店となり、そちらは前記レタントン15Bヘム内で便もよく、捲土重来を期されているのではないかと思います。
5. 元祖ぎふらーめん あき

ラストバッターは、昨年味仙二号店の下に彗星の如く現れた、元祖ぎふらーめん あきさんです。岐阜のラーメンを謳っていますが、ご当地ラーメンではなく、創作系の模様。とはいえ、今回の文脈にピタリとはまる正統派の清湯醤油ラーメンです。
ハノイの麺屋いろはさん(閉店)の富山ブラックより若干マイルドな程度の色合いですが、スープの味わいは同じく優しめです。とはいえ、一口めから明確に節を感じられるあたり、マスターの拘りですね。味の濃さと麺の硬さを選べるのも親切だと思います。麺は手もみ?風の縮れ、能書きを読むと小麦にも相当拘られているようです。叉焼の口内蕩け指数は、前記とみだやさんに勝るとも劣らないレベルです。
こちらは炒飯も美味しいので、ラーメンの麺量は抑えつつ(左上、中 = 180g)、炒飯とのコンボがお勧めです。拉麺胡椒も、ベトナムでは初めて見ました。ラーメン炒飯、どちらの味変にも勿論使えます。唐揚も試してみたいものの、炒飯が鉄板過ぎて毎回保守的な注文になってしまいます。
ベトナム人価格を導入しているのも、界隈では新しい試みですね。日本人等非ベトナム人のみをターゲットにすると当地ではなかなか拡がりを書いてしまうため、個人的にはgood ideaだと思います。期間限定かもしれませんが、次回ベトコンラーメンも試してみたいところです。
6. おわりに
皆さんお気に入りのお店はありましたでしょうか?
清湯の定義から外れるためお示ししなかった前記梅光軒さんや、川崎ニュータンタンメンの名店Choi Oi Noodlesさんの出すあっさり醤油 こく煮干しラーメン、以前紹介差し上げた一燈さんの出す醤油ラーメン(曜日限定)等、紙幅の関係で紹介しきれなかった美味しいお店が他にも多くあります。
皆さんお勧めのお店があれば、是非ご紹介下さい。ではまた。