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【ブログ】ベトナムの金神話

市場の金

皆さんはこんにちは。

AGSの閑野です。

 つい先週、私の家の大家さんが大金をはたいて地金を買ったそうで、私に自慢するように見せてきました。話を聞くと、ベトナム人にとって金はとても身近な存在なんだそうです。

そこで、今回は「なぜ金がベトナム人にとって身近な存在なのか」を調べてまいりましたのでご紹介いたします。

 突然ですが、みなさんはベトナムが東南アジアの中でもインフレ率が高いことをご存知でしょうか?

近年、ベトナムは経済成長率が高い国として日本でしばしば評価されていますが、その裏でインフレ率の上昇に苦戦をしいられています。

このインフレの影響を如実に表しているのが実はベトナムの貨幣であるベトナムドンです。

ドンをご覧になったことのある方ならご存知かと思いますが、ドンは桁数が大きい貨幣になります。実はインフレの影響で貨幣価値が下落するたびに高額の新札を発行したため、現在の数字に落ち着いたそうです。

そのため、現在は500,000ドン札が最高額ですがつい10年前までは100,000ドン札までしかなかったそうです。

 しかし、頻繁に貨幣が変更されると国民は非常に迷惑です。新札の発行自体はなんらインフレの抜本的な解決にはならないですし、何よりも目減りしていく自国の通貨に対して不信感を抱くのは自然なことでした。

そして、この国民感情がベトナム人に金を信仰させたようです。

この信仰心にも似た傾向が顕著に数字として現れたのは2008年のことでした。

GFMS(世界最大の金の市場調査会社)の統計によると、1位がインドで160トン、2位がドイツで106トン、3位がベトナムで96トンとなっており、その需要の大きさがうかがえます。

また、2010年にはなんと「地金」の自動販売機もホーチミン市内に登場したそうです。

しかし、金取引が過度に行われたため、ベトナムは極度の貿易赤字に陥ってしまい、皮肉なことにさらにさらにインフレを悪化させることになりました。

これに対して、ベトナム政府は金の輸入規制、果てには金取引所の閉鎖を決行しましたが、あまりも極端な政策だったため逆に金の価格が高騰してしまい、大パニックとなりました。

この隙に乗じて、メッキ加工した地金を偽造したり、カンボジアやラオス経由で金を密輸する犯罪集団まで出てくるしまつ。

この事態を収拾するために政府は緩やかな金の管理体制へとシフトし、以前ほどとはいかないものの、最近ではまた自由な金取引ができるようになったそうです。

 しかし、これは私見になりますが、この一連の政策で何も改善していないどころか、逆にインフレを加速させているので、ベトナムの金需要は年々加速しているのではないかと私は考えています。

それでは今回は以上になります。それでは次回もよろしくお願いします。 ヘン・ガップ・ライ。

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