皆さん、こんにちは。AGSスタッフです。本日は、標題の件についてです。
1. 工場排水規制の強化
通達#06/2025/TT-BTNMT(以下”本通達”といいます)が、工業排水に関する国家技術規則であるQCVN 40:2025/BTNMTとともに公布されており、本通達は昨年、2025年9月1日から施行されております。本通達は、従来の11の排水関連国家技術規則(以下”QCVN”といいます)を統合・置き換える新しい工業排水に関するQCVNです。旧基準と比較して、主要な汚染物質についてより厳しい基準値が設定され、管理項目についてもより一貫性があり包括的な管理手法が導入されています。即ち、製造加工業目線で換言すると、規制がより強化されるということになります。
その全容については、ベトナム語になりますが下記をご参照下さい(ベトナム官報サイトに遷移します):
Thông tư số 06/2025/TT-BTNMT ban hành quy chuẩn kỹ thuật quốc gia về nước thải công nghiệp.
2. 経過規定とその期限
2025年9月1日以降に、環境影響評価(EIA)審査申請、環境許可、または環境登録の申請を行う新規投資案件または拡張案件については、本通達が直ちに適用されます。
他方、救済と言いますか経過規定も設けられており、2025年9月1日以前に操業を開始している施設、または環境影響評価審査結果の承認決定を取得している投資案件については、2031年12月31日まで従来の排水に関するQCVNを継続して適用することができます(本通達第3条)。逆に言うと、2032年1月1日以降は、本通達が工業排水を規制する法令として遍く適用されるということになります。
3. 製造加工業に及ぼし得る影響
現在、多くの工業団地や投資案件では、QCVN 40:2011/BTNMTなど、QCVN 40:2025/BTNMTと比べて工業排水基準が緩やかな旧規則が引き続き適用されています。そのため、将来的に現行の排水処理技術や基準を維持することがますます難しくなるということになります。企業や工業団地は、本通達に適合するため、排水処理設備の更新、新技術の導入、さらには生産方法の見直しを行う必要があります。
本通達の全面施行後は、環境規制は全国一律で適用されるため、法的に「規制が緩い」工業団地は原則として存在しないことになります。つまり、ベトナムで操業を継続する以上逃げ場はないということです。
一例として所謂めっき加工事業は現在、ベトナム南部ではフー・アン・タン工業団地、ロンハウ工業団地、ホーナイ工業団地、ドンアン工業団地で操業可能と認識しておりますが、繰り返しになるものの、本政令施行後は本政令における規制との適合性が問われることになります。
4. おわりに
本政令はあくまでも工業排水規制に纏わるものですが、昨今の深刻な大気汚染等踏まえると、爾後環境に纏わる規制がより厳格化されていくことは容易に予想されるところです。相応に環境負荷のある製造加工業を営む日系等外資企業は、引き続き規制の動向に留意すべきことになります。
当社では環境規制等についても幅広に法務コンサルティングを提供しております。もしそのような需要があれば、是非info@ags-vn.comの方にご連絡下さい。ではまた。