皆さん、こんにちは。AGSスタッフです。本日は、標題の件についてです。
先日、駐在員に対しても社会保険加入義務の手が迫っている点についてupdate差し上げました(当社ウェブサイトの別頁に遷移します):
所謂”駐在員”の社会保険加入免除の恩恵の縮小/短期化について – AGS(AGS JOINT STOCK COMPANY)
また、現地採用者については、従前から既に社会保険への加入義務が課されております。
捨て金と思われがちな社会保険ですが、脱退時には一定の条件に基づき返戻金支給の規定があります。
具体的に、社会保険に関する法律#41/2024/QH15(以下単に”社会保険法”といいます)第70条2項d)号には、下記の規定があります:
—
本法第2条第2項に規定する者が社会保険への加入を中止した場合、申請を行い、以下の条件のいずれかを満たすときは、社会保険一時金の支給を受けることができる。
dd) 雇用契約が終了した場合、または労働許可証、資格証明書、資格許可証の有効期限が切れ、更新されない場合。
本法第2条第2項に規定する者とは、ベトナムにおいて12ヶ月以上の雇用契約に基づき就労する外国人をいう。ただし、以下の場合はこの限りではない。
a) ベトナムにおける外国人労働者に関する法律の規定に従い、企業内で異動している場合。
b) 労働法第169条第2項に規定する雇用契約締結時に定年退職年齢に達している場合。
c) ベトナム社会主義共和国が署名している国際条約に別段の定めがある場合。
—
従い、勤続期間が12ヶ月間未満の場合や企業内異動の場合は別として、外国人で労働許可証の期限が切れ、日本に帰国する場合には、かかる返戻金の支払が受けられることになります。
返戻金の支払申請は、社会保険法第78条1項及び第79条1項に従い、申請書類に社会保険手帳を付して、所轄の社会保険当局にて実施すべきことになります。同法第79条2項に従い、社会保険当局は申請の受理から7日間以内に返戻を決定すべきことになりますが、実務上必ずしも遵守されないのは他の場合と同様です。
細かな計算は下記各引用条文をご参照頂くとして、
– 社会保険法第70条3項b号(2014年以降)、
– 通達#12/2025/TT-BNV第16条2項、
– 政令#158/2025/ND-CP第16条、
結論、
返戻金額 = (2 * 社会保険算定の基礎となる賃金の平均) * 社会保険の支払年数
となります。勤続年数によっては相応の金額になり、またベトナムにおいて就労する外国人の数少ない権利でもあるため、該当する方々は是非返戻金の支払申請をご検討下さい。
留意点としては、まず、返戻金の支払申請を端緒として、社会保険当局による事業所の調査が入る可能性が皆無ではないことです。勿論、社会保険法等関係法令に従い然るべく加入及び支払を実施している場合にはさほど懸念はないものの、何かしらの節減措置を執っている場合にはリスクになり得ることになります。
次に実質駐在員の方等、労働者負担部分まで会社が負担していた場合にも、社会保険法に基づく返戻金の受取権者は駐在員自身になってしまう点です。特に日本側でも社会保険に加入し続けている場合には二重の受益ということにもなり、帰任時の返戻金の取扱について、予め現地法人/親会社と本人との間で何らかの合意をしておくことも考えられます。
当社では社会保険を含む公的保険周りのコンサルティングの他、返戻金の支払申請支援等種々のサポートを行っております。もしご興味ある方いらっしゃれば、是非info@ags-vn.comまでご連絡下さい。
ではまた。