2020年7月9日に、政府は企業の社債発行に関する2018年12月4日付けの政令163/2018/ND-CP(「旧政令」)を改正する政令81/2020/ND-CP(「新政令」)を公布しました。2020年9月1日より発効する新政令の主な内容は以下の通りです。
1.社債取引の制限
国内市場で発行する企業の社債は裁判所の判決または法令による相続の場合を除き、起債完了日から1年内はプロ証券投資家を除く投資者100人以内の範囲に限って取引が認められます。その期間が経過した後、発行企業による別の決定がある場合を除き、投資者数の制限なく取引することができます(新政令第1条2項)。
この規定に関しては、旧政令第6条8項は国内市場と国際市場を区別することなく、この制限を規定していましたが、新政令においては国内市場に限って100人以下の取引制限を規定し、国際市場においては当該市場で適用される規定に従うものとしています。
2.非転換社債または、非ワラント債の発行条件の追加
旧政令第10条1項に規定される条件以外に、新政令第1条3項は以下の条件を追加しています。
・発行企業が社債発行書類について合法な顧問組織(社債発行に関する顧問サービスの提供が許可された証券会社、信用組織その他の財務組織)である場合を除き、発行企業は社債発行書類について顧問組織との顧問契約を締結すること。
・発行時点の私募形式による社債(予定する発行社債数を含む)の金額が直近の四半期の承認済み財務諸表に記載される資本金の5倍を超えないこと(信用組織に適用しない)。
・発行時期は発行前の情報公開日から90日以内でなければならず、当該発時点と次回の発行時点の間は最低6ヶ月であり、同時期の発行社債の条件は同一である(信用組織に適用しない)。
3.企業の社債発行書類の追加
旧政令第13条1項に規定される書類以外、新政令第1条5項は発行前の公開情報、社債売買のリスクの理解に関する投資者の確認の条項が含まれた社債売買契約が追加されました。
4.社債発行期前の情報公布時間に関する規定の改正
新政令第1条9項によると、発行企業は、社債発行予定日の少なくとも3営業日前までに、投資者が社債購入の登録するための情報を開示し、証券取引所に公開した情報の詳細を交付しなければなりません。旧政令にも同様の規定はありましたが、開示期間が10営業日前から3営業日前に短縮されています。
以上