3月17日にVCCIで行われた「中古機械・設備・生産ラインの輸入に関する通達案のヒアリング」内容を速報でお伝えします。
中古機械・設備・生産ラインの輸入に関する通達案のヒアリング
主催: ベトナム商工会議所、科学・技術省
日時: 3月17日(火) 8:00~11:30
[su_label type=”success”]I. 通達案ヒアリングの概要[/su_label]
申告なしで中古機械を輸入していた企業が多くなり環境に悪影響を与えてきたため、2014年7月15日付け科学・技術省は中古機械・設備・生産ラインの輸入に関する通達第20/2014/TT-BKHCN号を公布した。しかしその後停止になった。今年、通達第20/2014/TT-BKHCN号の変わりに中古機械・設備・生産ラインの輸入に関する通達を公布するため、通達案のヒアリングを行った。
A) 本通達案のポイント
中古機械・設備・生産ラインの輸入出来る条件は、
条件① 中古機械・設備・生産ライン使用期間:10年以内。
条件② 中古機械・設備・生産ライン品質:80%以上。
国家企業の場合:上記の①と②の条件を満たす必要がある。
外資企業又は他民間企業の場合:上記の①か②の条件を満たす必要がある。
B) 各部・各省は自分自身の業界での検定可能提案を勧奨。
例:建設省は建設機械及び設備に関する事では建設省の管理責任であり、本通達に掲載されない様に提案した。 →許可された。
C) 上記の条件に対する意見提出を勧奨。
例:農業省は農業の機械・設備の使用期間は3年以内で提案した。 →検討中。
[su_label type=”success”] II. 各企業の意見[/su_label]
1. ベトナム印刷協会
条件①は正解ではない。理由:プリンターの種類が様々あり、その中に5年から7年までの使用可能機械もあるのが、40年以上使用可能な機械もある為、分別しなければならない。
条件②はどんな基準で検定されるのか不明。理由:機械は何十種類も部品があり、故障程度も部品により違うのに検定基準を明確しなければ分からないと思う。そして本通達が公布されたら通関で検定されず、機会・設備を取り寄せられると予測する。
2. 在ベトナムアメリカ商工事務所
今まで51カ国で働いてきたが、こう言う通達がある国は中国のみだ。しかし中国でも10年以内等の使用期間を規定されなかった。本通達は必要ではない。中古機械・設備・生産ラインの輸入に関する規定が必須と判断すれば、2004年の輸入法を修正する時に条件を追加した方が良いと思う、ただし10年の使用期間は不要、また各業界に対して機械・設備・生産ラインの品質基準を明確にして欲しい。
3. TAT MACHINERY
TATと同業300社の意見は「本通達は不要」である。理由:機器の使用期間は何十年もあるのに、10年以内の使用期間と規定されたら、1%程度の機器のみ輸入が可能。99%程度は輸入が不可、そうすると機器に関連する中小企業の運営がとても難しくなる。二つ目は:検定基準が無いのに80%以上の品質が必要だと規定されるのはおかしい。品質検定が必要だと判断するなら国際品質基準が必要。
4. BINH DUONG UNIVERSITYの講師
国家企業でも外資企業でも他企業でも区別しない様にお願いしたい。又は80%の品質検定は何より決定されるのか分からない。最後に本通達案の第9条に中古機械・設備・生産ラインの製造日証明書(原本)が必要だと記入してあるのはおかしい、理由:製造後何年も経過している機械の証明書をずっと保存している企業があまりいないと考える。
5. INTEL COMPANY
ベトナムでは、他国の製品検定は難しいと思う。日本、アメリカ、マレーシア、シンガポール等では中古機械の購入、使用に関する条件は単純である。厳しい中国・インドでも10年以内の使用期間又は80%の品質の条件を規定していない。本通達はベトナムの状況と合わない。
6. 機器協会
元々機器業界に関する機械は何十年も使えるのに、10年以内の中古機械だと言えば、全く輸入できなくなる。本通達がベトナムの経済の為と言っていても逆に経済が悪くなると思う。理由:どんな生産業界でも機械が必要だから機器が必要、なのに中古機器を輸入する事が出来なくなる場合、他生産業界に悪影響が与えて、全体的を見ると経済が悪くなるはず。
7. LongAnのバッテリ生産企業
本通達が必要だと思わない。理由:新品機械より品質が良い中古機械が多い。例:日本の中古機械か中国の新品機械を選んで下さいと言われても、日本の中古機械を選ぶ。
8. その他の意見
- 10年以内使用期間の中古機械だと規定したら、重工業の機械と軽工業の機械と区別した方が良い。 - 80%以上の品質の中古機械だと規定したら、厳し過ぎる。勿論各企業は、中古機械・設備・生産ラインを輸入する時、企業の生産の為に品質が良い機械のみを輸入するので、80%以上では無くてもまだ品質が良い機械であれば輸入出来る様に検討して欲しい。
- 本通達を公布されたら、必ず通関の段階がもっと難しくなる。
- ベトナムに進出しようと考える海外企業を困難させてしまう。
- 本通達案は主観的な通達であり、公布したら政府と各企業の競争になる。
- 上記の各意見と違って、参加者のうち1名のみは本通達が必要で適切だと意見を出した。
[su_label type=”success”]III. 各企業の意見に対して科学・技術省の発表[/su_label]
本通達案は政府の案件であり、科学・技術省は今回のヒアリングの司会のみを担当している。今回のヒアリングは各企業の意見を求めて政府に提出する予定なので、科学・技術省はすぐに通達を修正するとは言えないが必ず各企業の意見が政府に届く様にする。