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ベトナムアパレル業界、今年度の目標達成は困難か

ベトナムアパレル業界は今年度の輸出金額の目標を300億ドルと設定しているが、国内企業の高いコストと低い受注率、そして国外の高まる競争性を考慮すると、達成は一筋縄ではいかないことが予想される。

VITAS(ベトナム繊維協会)の会長を務めるVu Duc Giang氏は「業界としてはこの半年で輸出金額が127億ドルに達し、前年比の4.72%の成長を遂げている。しかし、一方で年間輸出目標額の290億ドルにはまだ遠く及ばず、半年経った現在でもまだ目標の41%しか回収できていない。」と語っている。

国内企業が受注を獲得できない理由の1つに外資企業のFDI(直接投資)があげられる。アパレル業界は数字の上では成長を遂げているように見えるが、実際は外資企業によるFDIがこの大半を占めている。

新規受注の獲得は難航しているため、国内の中小企業は事業を維持する事ができなくなるだろうとVITASはみている。

「ベトナムの企業は他のアジア諸国と比べて競争力が低い。」と同氏は業界の脆弱性を指摘している。

ベトナムよりも賃金が安いミャンマーやバングラディシュ、スリランカはアメリカやヨーロッパが導入した関税の優遇措置制度をうまく使い、そのメリットを十分に享受している。

中国ではアパレル業界の不況の流れを考慮し、業界の社会保険料を20% to 18%へと引き下げた。

「このままではより安価なコストで製造が可能な他国へバイヤーが流れてしまう。」と同氏は言う。

同組織の副会長であるNguyen Xuan Duong氏は国内のアパレル業界が抱える3つのマイナス要素を指摘している。

1点目は、ベトナムの外貨為替政策により米ドルと比較してベトナムドンの貨幣価値が安定化した点だ。EUや日本、中国などの主な市場における通貨が8~18%、アセアン諸国やインド、バングラディシュが10~20%も米ドルと比較して下落している。そのため、ドンの価値が相対的に高まり、国外への輸出が滞った。

2点目は、最低賃金の上昇だ。この賃上げにより、ベトナム国内のアパレル企業は製品コストを上げざるを得ない。

3点目は、貸出金利である。ベトナムでは貸出金利8~10%に設定されているが、これは競争国の2~3倍に値する金利である。そのため、国内のアパレル用品は他国の20~30%も割り増しになってします。

日付:2016年8月1日 (http://english.vietnamnet.vn/fms/business/161083/apparel-export-target-seen-unobtainable-in-2016.html)

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