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TPPの不確定性と、注目されるその他の協定

米国大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝利を受けて、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の雲行きが怪しくなっている。中央経済管理機関(CIEM)の商業環境・競争局の副長であるチャン・トゥアン・タン氏(Tran Toan Thang)がベトナムニュースのレポーターに対してTPPが中止、または再検討されることになった場合についてを語ってくれた。

(以降、Qをリポーターの質問、Aをチャン氏の回答とする)

Q, ドナルド・トランプ氏の勝利を受けて、TPPは現在どのような局面にありますか。

A, 選挙期間中、トランプ氏もヒラリー氏もアメリカ人に直接結びつく問題として協定を批判し、有権者の支持を集めてきました。現在、トランプ氏の勝利によって、TPPの将来はより不確かなものになっています。彼のTPPや貿易協定そのものに対する強固な姿勢は明らかで、最悪の場合TPPは再交渉、最悪で解体といった形になるでしょう。このような場合、米国とTPP加盟国の間では、新たに地域政治・経済利益により依拠した協定を提示することになると考えられます。

Q, もし最悪TPPが解体された場合、2国間協定やベトナム経済はどのような影響を受けるのですか。

A, ベトナムはTPPによって最も利益を受ける国の1つだと考えられています。しかし、こうした評価は多くの仮設を作るための見せ掛けのものだということも忘れてはなりません。昨年10月にTPP交渉が結論に達した際、この協定がベトナムにもたらし得る様々な機会についての記事が取り上げられました。しかし、これらの多くの仮定的なものばかりです。多くの人々は、TPPはベトナムにとって地域的な改革や再構築を促す良い機会だと考えています。しかしながら、国営企業や労働者、投資に関する問題と包括的に関連する法的な改革がもたらされる事はあまり無いでしょう。仮にTPPが廃止されたとしても、それは寧ろ東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を促すことになります。そのRCEPとEU-ベトナム間の自由貿易協定(FTA)とが、ベトナム経済に大きな影響を与えてくれることでしょう。

Q, もし米国市場が危機に直面した場合、ベトナム企業はどんな方針を採るのでしょうか。

A, 実際、それほど問題視することではないでしょう。ベトナムは単に米国市場におけるいくぶんかの機会を失うというだけのことですから。もしいずれトランプ氏が保護主義に転じれば他の貿易協定が再構築されるでしょうから、そうなれば米国向けの輸出量も徐々に伸びてくると思われます。ベトナムの輸出市場は貿易協定を通じて多様化しています。イスラエルや香港とのFTA、RCEPは金床であり、統合戦略は今年初頭から進み、政府はその手順を踏んでいるところです。しかし、現状のFTAによって利益を受けている企業は未だ全体の38%と低い水準に留まっているため、ベトナムは既に締結された合意をより円滑に活かす事が重用だと思われます。

Q, 米国企業が保護主義へと方針を転換し、外国企業との貿易を控える可能性はあるのでしょうか?

A, 個人的にはそのようなのことはありえません。現在の貿易傾向では、繋がり連鎖することにこそ価値があります。そのため、国境を越えた貿易が米国企業にとって最も望ましい形態なのです。しかしながら、アジアにおける人件費が上がりつつあるため、アジア市場の優位性が低下していることは否めません。

Q, トランプ氏の勝利の翌日、11月10日に日本の衆議院はTPPを承認しています。同じ週に、日本政府は訪米を計画しています。これがいったい何を意味すると思いますか。

A, TPP承認のためには、12カ国全体のGDPのうち、少なくとも85%を占める6カ国が批准することが求められています。現在、米国がおよそ62%、日本が17%となっています。このことから、米国と日本がTPPの命運を決める重要な役割を担っていることが分かります。日本が協定を受け入れた事実は、米国の世論と新たな行政組織へ圧力をかけることになるでしょう。私見ですが、日本が作り上げたこの圧力は、米国にとって大したものではないと思われます。米国の考えるところでは、もっと世界的規模な貿易や投資によって生じる利益を追求するふしがあります。もし米国がTPPに前向きな考えを示すことがあったとしても、それは日本の圧力によるものではないといえるでしょう。

日付:11月17日 (vietnamnews.vn/economy/346395/uncertain-tpp-brings-other-pacts-into-focus.html#jQXHhCzUGDmOJe89.97)

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