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【AGS法務部ニュース】大手ECサイト5社、模倣品に「ノー」

商工省傘下の電子商取引・デジタル経済局と競争・消費者保護局はハノイ市で18日、 「電子商取引(eコマース=EC)における消費者保護」と題したシンポジウムを開催した。

Q.電子商取引(Eコマース)での販売が禁止されている商品には何がありますか?

A.模造品、知的財産権を侵害する商品又はサービス、事業が禁止されている製品及びサービスの一覧に規定されている製品又はサービスを電子商取引で取扱うことが禁止されており(政令52/2013/ND-CP第4条1項b)、その一覧にはショットガン、銃弾、シガレット、葉巻、アルコール飲料等が含まれています(通達47/2014/TT-BCT第3条1項各号、政令59/2006/ND-CP別紙ほか)。



Q.その販売禁止商品を売った場合に適用される罰則はどのようなものですか?

A.模造品を取引した場合には、実際の製品の価格に応じて500,000VNDから50,000,000VNDの罰金が課されます(模造品又は禁制品の製造、取引、商業活動及び消費者の権利保護の違反に対する行政罰に関する政令185/2013/ND-CP第11条1項)。また、これに加えて上記違反行為の証拠の没収、複数回又は常習的に違反行為を行った場合の事業ライセンスの6ヶ月から12ヶ月間の剥奪の可能性もあります(同政令第11条3項)。この取引には、申出、表示、保存、保管、輸送、卸売り、小売、輸出、輸入及びその他の製品を流通に置く行為が含まれます。

販売禁止商品を取引した場合には、当該販売禁止商品の価格に応じて500,000VNDから100,000,000VNDの罰金が課されます(同政令第10条1項)。また、当該販売禁止製品の製造、輸入、販売に用いた道具、証拠が没収、事業ライセンスの剥奪等の付加罰もあります(同政令第10条4項)。なお、刑法(100/2015/QH13)第190条及び第192条にはそれぞれ販売禁止商品及び模造品を製造又は流通させた罪が規定されています。これによると販売禁止品が化学品、抗生物質、獣医薬である、違法収益が50,000,000VNDから200,000,000VNDである等の構成要件に該当する場合には、100,000,000VNDから1,000,000,000VNDの罰金又は1年以上5年以下の懲役に課される可能性があります。模造品を製造又は取引をした者でその他の構成要件に該当する場合には、100,000,000VNDから1,000,000,000VNDの罰金又は1年以上5年以下の懲役に処される可能性があります。刑法の規定が適用される事案においては、当該規定に基づいて処理されます。

Q.販売禁止商品であることを知って、又はそうかも知れないと思ってEコマースサイトを活用して商品を買った場合に適用される罰則はありますか?

A.上記の禁止品、模造品の取引に関与したと判断される場合には上記の刑法及び政令に規定される刑事罰、罰則の適用の可能性があります。その他、刑法第323条1項には、犯罪によって取得した財産の保管又は取得の罪が規定されており、事前の約束なく他者が犯罪によって取得したものと明白に知りながら、その財産を保管又は取得した者には、10,000,000VNDから100,000,000VNDの罰金又は3年以下の非拘束矯正、又は6ヶ月以上36ヶ月以下の懲役に処される可能性があります。



Q.外国投資家もベトナムで電子商取引ビジネスを開始することはできますか? A.電子商取引ビジネスの形態には、組織又は個人が自身の販促、販売又はサービスの提供のために開発した電子商取引ウェブサイトを開発するケース、と他の組織又は個人に対して電子商取引ビジネスの環境を提供するためにウェブサイトを開発するケースがあるとされています(政令52/2013/ND-CP第25項1項・2項)。これらのビジネスは外国投資家が実施することはできますが、営業ライセンスの取得、上記ウェブサイトの商工省への登録といった法令上の所定手続を実施する必要があります(政令09/2018/ND-CP第5条1項h、通達47/2014/TT-BCT第5条2項)。



Q.ベトナムの消費者保護制度の概要を教えてください。

A.消費者保護に関連する法律としては、商法(36/2005/QH11)、消費者の権利保護に関する法律(59/2010/QH12)、消費者の権利保護に関する法律の詳細及び施行細則を規定する政令99/2011/ND-CP、上記の行政罰を規定する政令185/2013/ND-CP、政令124/2015/ND-CPなどがあります。 具体的には、商法第14条1項には消費者の正当な利益保護の原則として「商業活動を行う全ての商人は、それらが従事する物品及びサービスに関する完全且つ正確な情報を消費者へ提供しなければならない。 それら情報の正確性については当該商人の責任とする。」が規定されています。 また、消費者保護法には商人の消費者に対する義務、責任として情報提供義務(第12条)、契約締結(使用言語、協議解決、無効条項)(第14条~第16条)、欠陥品の回収(リコール)(第22条)、欠陥品の提供に伴い発生した損害の賠償(第23条)があり、賠償責任は無過失責任になります。消費者の権利としては、同法に正確且つ十分な情報(商品、サービスの内容、原産地等)が提供される権利、消費者保護の施策及び法令の制定及び執行に参画する権利、欠陥品により被った損失又は損害の賠償を請求する権利、苦情申立て、通告、法的手続の請求、社会組織に対する手続開始の請求をする権利等が規定されています。 消費者保護に関する義務違反に対しては、政令185/2013/ND-CP、政令124/2015/ND-CPにおいて行政罰が規定されています。



Q.ベトナムには日本でいう国民生活センターのような組織、団体はありますか?

A.ベトナムにおける消費者の権利保護を実現するために組織、団体には、2011年に設立され商工省の下で運営されているVietnam Standard and Consumers Association(VINASTAS)や、2018年10月31日に設立されたVINASTASの関連組織であるVietnam Consumers Protection Association (VICOPRO)やVietnam Competition and Consumer Authority (VCCA)などがあります。これらの組織、団体は消費者問題に関する法律相談の提供や消費者権利に侵害に関する訴訟代理をしています。

  • Vietnam Standard and Consumers Association(VINASTAS):[http://vinastas.org/]
  • Vietnam Consumers Protection Association (VICOPRO):[https://evn.com.vn/t/tags/VICOPRO-60414.aspx]
  • Vietnam Competition and Consumer Authority (VCCA):[http://www.vca.gov.vn/Default.aspx?lg=2] 以上


参考:大手ECサイト5社、模倣品に「ノー」(https://www.viet-jo.com/news/economy/190423121221.html)

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