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【AGS法務部ニュース】ホーチミン市、ビール・アルコール飲料の増税を計画

ホーチミン市人民委員会のチャン・バン・トゥエン副主席はこのほど、ビールを含めたアルコール飲料に課す特別消費税を引き上げる方向で計画案を策定していることを明らかにしています。

Q.ベトナムでの飲酒可能年齢は何歳からですか?
A.日本の場合、ご存知の通り未成年である 20 歳未満(民法改正による成年年齢引下げ後も20歳未満)の者の飲酒が禁止されています(未成年飲酒禁止法第1条1項)。ベトナムでは、アルコール取引に関する政令105/2017/ND-CP第7条5項において、18歳未満の者に対する販売を禁止する形で若年層への飲酒を規制しています。

Q.ベトナムの税金は法律で決めなければなりませんか?
A.日本国憲法第84 条には、「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」と規定されており、租税は法律の根拠に基づいて賦課徴収されなければならないと一般的に考えられています(租税法律主義)。ベトナムの憲法(2013年11月28日発行、2014年1月1日施行)にも「全ての人は、法律が定めるところに従って納税する義務を有する。」(第47条)と納税義務が規定され、また国会の任務及び権限として「各種の税を規定、変更又は廃止する」(第70条4項)と規定されております。このほか租税管理法(78/2006/QH11)、法規範文書公布法(80/2015/QH13)にも租税管理、賦課徴収は国会が法律で制定しなければならないとする規定はあります。

Q.上記の回答からすると、ホーチミン市にはビールやアルコール飲料の増税をする権限をもっていることになりますか?また、その範囲はどうなっていますか?
A.ホーチミン市人民委員会には増税に関する政府への提案権のみがあり、最終的には国会によって審議、決定されます。具体的には、ホーチミン市発展特別政策の試験的実施に関する国会決議 54/2017/QH14 第5条1項によると、ホーチミン市人民委員会は、国会常任委員会が特別消費税及び環境保護税の課税対象となる製品に適用される税又は税率の試験的増加に関する決定を発行するための審議のために、政府に対して提案を提出するものとされています。また、その税額又は税率は現状の 25%を超えてはならないとされています。

Q.現在のビールやアルコールに課税される税金の種類や税率はどうなっていますか?
A.特別消費税法の一部条項の修正法(70/2014/QH13)第1条4項、及び特別消費税法(27/2008/QH12)第7条によると、2018年1月1日以降は下記のようになっています。

種類 税率
アルコール飲料 アルコール度数(ABV)20%以上 65%
アルコール度数(ABV)20%未満 35%
ビール 65%
なお、アルコール飲料の意味について、政令105/2017/ND-CPでは(蒸留を伴う又は伴わない) 穀物、植物又は果物からの果汁の発酵により製造される、又は飲用アルコール(エタノール)から調製されるアルコール性飲料と定義されています(同第7条5項)。日本の発泡性酒類、醸造酒類、蒸留酒類のような詳細な分類はされていません。

Q.お酒とは別にベトナムにおけるタバコに課税される税金の種類や税率はどうなっていますか?
A.上記の特別消費税法及びその修正法によると、下記のようになっています。
種類 税率
シガレット、シガー及び
その他のタバコ植物に由来する製品
2018年12月31日まで 70%
2019年1月1日以降 75%
なお、タバコとは、シガレット、シガー、タバコ、刻みタバコ又はその他の様式のタバコ植物を原材料の全部又は一部として製造及び加工された製品を指すとされており(タバコ有害防止法(09/2012/QH13)第2条1項)、いわゆる電子タバコもタバコ植物を原材料として製造されているのもについてはこれに含まれると考えることができます。また、電子タバコ、加熱式タバコのベトナム国内の輸入、流通を禁止する明確な法令規制はありませんが、外国投資家が当該事業に投資する場合には条件付投資分野として他のタバコ製品と同様の規制の対象となります。

参考:ホーチミン市、ビール・アルコール飲料の増税を計画(https://www.viet-jo.com/news/economy/190409160138.html)

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