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【AGS法務部ニュース】最新法令のアップデート: COVID-19により損害を被った企業の納税期間の延期及び延滞利息の免除に関する税務総局のオフィシャルレターNo.837/TCT-QLN

 今般、新型コロナウイルス(COVID-19)に関する重要な法令のアップデートをお知らせ致します。

 税務当局は、2020年3月3日付でCOVID-19により損害を被った企業の納税期間の延期及び延滞利息の免除に関するオフィシャルレターNo.837/TCT-QLN(以下、「本レター」)を発行しました。本レターによって特別に新たな事項を追加するものではありませんが、疫病等の不可抗力が発生した場合における納税の延期及び免除について、補足的に以下のように説明されています。

 もっとも、本レターに関する納税期間の延期、延滞利息の免除の適用を受けるためには、所轄税務当局への申請が必要な点につき、ご留意ください。

  なお、以下の記載内容は2020年3月20日10時00分時点での情報に基づく内容、解釈となりますことを予めご了承ください。今後、本件に関する法令のアップデートがありましたら随時お知らせ致します。

 また今後、本件に関するベトナム及び世界の感染状況の動向や関係各所の具体的な対応に関する詳報へのアクセスは、各公的機関、専門機関等へのお問い合わせもご検討ください。

1.対象企業

(1) 納税期間の延長

 従来の通達では、納税期間の延長が認められる理由の1つとして、自然災害、火災または事業運営に直接影響を与える「事故」によって「財産的損害」が発生した場合が規定されています(通達No.26/2015/TT-BTC第2条5項、通達No.156/2013/TT-BTC第31条1項a号)。

 ここにいう「事故」とは、交通事故、労働災害、致命的疾患、所轄機関により感染症の多発地域と判断された期間および地域におけるその感染症およびその他の不可抗力事由を含む外部的要因によって予見することができない、納税者の事業に対して影響を与える事象を指します。

 「財産的損害」とは、機械、装置、機材、商品、建物、有価証券といった金銭評価することができる納税者の財産に対する損害を意味します。

 本レターの第1条1項においても、これら規定に従い、上記に該当する企業が対象になると記載されています。

(2) 延滞利息の免除

 上記(1)と同様に、従来の通達においては遅延利息の免除が認められる事由が規定されており、納税者が自然災害、大災害、事故、疫病、致命的疾患又はその他の不可抗力事由に直面した場合、延滞利息の免除申請をすることができます(通達No.156/2013/TT-BTC第35条1項)。

 本レターの第2条1項においても、この規定に従い、上記に該当する納税者は免除申請をすることができるとされています。

2.延長及び免除の上限

(1)  納税期間の延長の上限

 延長措置の上限期間は納税者が被った損害の金額に応じ、以下のように納税期間が規定されています(通達No.156/2013/TT-BTC第31条2項a号)。


  • 損害発生前の四半期会計帳簿における総資産の50%未満の財産的損害を被った納税者は、納税期間がその期限から最大1年間延長される。
  • 損害発生前の四半期会計帳簿における総資産の50%以上の財産的損害を被った納税者は、納税期間がその期限から最大2年間延長される。

(2)  延滞利息の免除の上限額                                                                

 利息免除措置の上限額については、対象となる納税者が被った損害の財産的価値を超えないものまでと規定されています(通達No.156/2013/TT-BTC第35条2項、通達No.26/2015/TT-BTC第2条11項)。

以上

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