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【ブログ】ベトナムコーヒー今昔物語

ベトナムコーヒー
みなさんこんにちは。

AGSホーチミン事務所の閑野です。

みなさんはベトナムのコーヒーを飲んだことがありますでしょうか?

実はベトナムのコーヒー豆の生産量は世界で第2位と世界市場の約20%を占めています。さらに市内のいたるところにカフェがあり、まさにコーヒーはベトナム人にとって無くてはならない存在なのです。

そこで、今回はベトナムコーヒーの歴史について調べてみましたのでご紹介します。

コーヒー豆の伝来

ベトナムにコーヒー豆が伝来したのは18世紀半ば、キリスト教の宣教師が布教をする際にコーヒーを持ち込んだことがベトナムコーヒーの始まりだといわれています。

後に、フランスがベトナムを植民地化すると、コーヒー栽培は産業として整備されます。

これは、コーヒーが当時は今よりも需要が高かったため、フランス国内に供給する目的でそれまではひっそりと栽培されていたコーヒー栽培がフランスの技術的な指導のもと効率化されていったというわけです。

コーヒー産業の成長

ベトナム戦争が終わり、フランス・アメリカの支配から辛くも脱したベトナムは、荒廃した土地から何とか産業を立ち上げ、戦後の経済復興に努めようと考えました。その中で政府が目を付けたのがコーヒーでした。

フランスが持ち込んだ技術とコーヒー栽培に適した気候、そして海外での需要も高いため輸出をする事で外貨が獲得できる、といった好条件がうまくかみ合ったのです。

世界銀行から多額の資金援助をもらい、政府は本格的なコーヒー産業を展開して生産量を着々と増やしていきました。(安い労働力や復興の将来性を理由に資金援助をしたが、当時の世界銀行の51%がアメリカだったため、戦争での負い目で資金を援助したと捉える考え方もできる。)

さらに幸運なことに、この政府の政策に興味をもったコーヒー産業の外資企業(ネスレなど)がベトナムに進出し、先進的なコーヒー栽培の手法が多く導入されてコーヒー産業は急激に成長し、ついにブラジルに次ぐ世界第2位のコーヒーの生産大国としての地位を獲得しました。

現在、ベトナムでコーヒーの生産が盛んな地域は比較的に高地な中部で、その中でも特にバンメトートという町が有名です。

なんとこの町はベトナムでも幅広くチェーン展開するコーヒー店のTrung Nguyenコーヒーの本社があるほどコーヒーが主要産業となっているそうです。

ちなみに、この地域にはベトナム原産の象が生息しているようです、ぜひとも一度は観光をしてみたいですね。

ベトナム人にとってのコーヒーとは

このように、ベトナムはコーヒー豆の産地として磐石な土台を形成していきましたが、それと同時にベトナム独特のコーヒー文化も確立されていきました。

政府主導で豆を生産していったため、国内で流通されるコーヒー豆は安価になりベトナム人は安くコーヒーを飲むことができるようになりました。

これに伴って、町のあちこちにカフェが作られて現在のようなコーヒー文化が根付いていったのです。

また、ベトナムコーヒー独特の味に関しても一連の政策が大きく関係しているようです。

実は、当時のベトナム産の豆は量はあるが質が悪く、とても飲めたものではなかったそうです。

そのため、できる限り味を濃くドリップし、さらにコンデンスミルクを入れることで風味をごまかして飲むようになったそうです。(証拠となる文献がなかったため、近所の齢82歳のご老人からの証言を参考にしました。)

独自の文化を多く持つベトナムですが、コーヒーに対する意識は格別なもののように感じます。

ベトナム人の友人にスタンダードコーヒーについて聞いてみると、「これはこれでおいしいけど、本当のコーヒーではないですね」といった答えが返ってきました。

彼らには「同じ原料を使った全く別の飲み物」といった印象が強いようです。

それでは本日は以上になります。 ヘンガップライ。

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