みなさんこんにちは。
AGSホーチミン事務所の閑野です。
私事ですが、先日私もついに交通事故にあいました。
私の不注意もあったのですが、いきなり小道から猛スピードで出てこられたら、私の乏しい反射神経では避けれません、、、
皆さんもご存知の通り、ベトナムは世界有数のバイク天国です。
信号無視や4人乗り、飲酒運転、ヘルメット無しなどの違法行為もよく見かけます。
そのため、交通規則を遵守する日本人にとって道路の横断はまさに命がけです。
ベトナムの交通事情
ベトナムにはどのくらいのバイクがあるのでしょうか。交通運輸省の統計によれば、ベトナム全国で登録されているバイクの台数は約3,900万台超、そのうちホーチミン市の台数は約600万台。
市の人口が約800万人程なので、実に市民の4人に3人がバイクを保有していることになります。
もちろん、この人口には未成年の人口も含まれていますので、実際の成人の保有率はさらに跳ね上がることが予想されます。
そもそも、なぜベトナムにはバイクが多いのでしょうか。
その答えは単純明快で、バイク以外の選択肢がない点にあります。
実は、ベトナムは世界でも有数の「自動車が高額な国」として知られています。
この国の自動車に対する輸入関税率はなんと50%。しかも、この関税の他にVAT(付加価値税)やSCT(特別消費税)、車両登録費用etc,,,と様々な税金や出費が重なり、最終的な価格が日本の市場価格の2倍にも増してしまうのです。
ベトナム全体の自動車の普及率はたったの3%。ホーチミン市内ではたったの58万台しか流通していないようです。
車が高ければ交通インフラを使えばいいという考えもありますが、ベトナムはインフラの整備が遅れており、経済都市のホーチミン市でさえまだ電車が開通していません。
このような背景から、ベトナムでバイクが爆発的に普及したようです。
バイクの弊害
しかし、ここまでバイクの台数が増える弊害も現れてきます。特に交通事故は深刻な社会問題です。
ベトナムでは事故で一日に32人が亡くなり、142人が重軽傷を負っています。事故死が一日に11人の日本と比べると、実に3倍近く事故で人が亡くなっていることになります。
また、交通事故だけでなくバイクによる交通渋滞も大きな社会問題となっています。
話によれば、渋滞に巻き込まれた女性がバイクの排気ガスを吸いすぎて一酸化炭素中毒になり、バイクにまたがったまま意識を失ってしまった、というニュースがあるほどベトナムの交通渋滞はひどい状態です。
交通運輸省の見解では、重度の交通渋滞はガソリンを無駄な消費につながり、社会経済に大きな負担をかけるとしています。また、バイクから大量に排出される排気ガスが空気を汚染し、一種の公害になっているとも言います。
政府の対策
近年、政府はバイクに依存しない社会を構築しようと画策しています。2013年には世帯ごとの所有台数の制限する法案が可決され、年間のバイク購入台数を絞り込んで2020年の段階でバイク台数を3,600万台に押さえこもうとしました。また、インフラを拡充しようと工事を急ピッチで行っており、ホーチミン市にも2020年には地下鉄が運行されるといいます。しかし、上記にもあるように、2016年現在でバイクの台数は3,900万台を越えており、この勢いはまだまだ止まりそうにありません。インフラに関しても、当初の完成予定時期が2017年とされていましたが、現在では2020年に変更されています。
政府の対応を見る限り、ベトナムの交通事情が改善されるのにはまだまだ時間がかかりそうです。
それでは本日は以上になります。 ヘンガップライ。