目次
- はじめに
- 市場概要や現状
- 見出し1
- おわりに
1. はじめに
本調査は、ベトナム南部におけるイベントに関連する消費動向を知り、日系企業の参入チャンスの可能性を検討することを目的とする。イベント概要やイベントごとの特徴などをまとめた。
本報告書の利用に当たっては、以下の点に留意されたい。
- 本報告書の内容は、2016 年 10月末現在入手可能な情報に基づいている。意思決定の際には、その都度最新の情報を確認されたい。
- 本報告書における地名や機関等の名称は、いずれも筆者らによる日本語訳である。
- 本調査報告中において使用する現地通貨ベトナムドン(以下「ドン」)の日本円への換算は、ベトナム中央銀行の公表する為替レート(売買の中間値)に基づき計算を行っている。2016年10月30日 1円=210.39ドン。米ドル(以下「ドル」の)日本円への換算は日本銀行の公表する為替レート(中心相場)に基づき計算を行なっている。2016年10月30日1ドル=104.80円。
2. ベトナムにおけるイベント概要
現在、多くの国々で「新年」や「バレンタインデー」、「ハロウィン」、「クリスマス」などといったイベントが親しまれている。日本ではそれらに加えて「ひな祭り」や「ホワイトデー」、「母の日」、「父の日」、「敬老の日」など日本独自のイベントもあり、年中行事として大きな賑わいをみせている。ここベトナムも例に漏れず、「新年」や「バレンタインデー」、「クリスマス」などの様々な行事が浸透しており、多くのイベントが開催されている。
ベトナムにおいても西暦の新年は祝日にあたる。政府機関や企業などは休日になるが、個人商店などは営業をしている店も多い。また、「明けましておめでとう」などのお決まりの挨拶などはあまりないため、日本ほど正月を強く文化風習ではないように思われる。ホーチミン市内中心部では、新年に変わる瞬間から15分程度花火が打ち上げられる。そのため、花火の会場周辺は多くの人で賑わい、屋台も多く出店し、辺り一面がお祭りのようになる。
- 1月1日(2017年は1月28日)「旧正月(旧暦)」
ベトナムにおいては、旧暦の1月1日が正月にあたる。お世話になった取引先などへ挨拶とともにお歳暮を贈る習慣がある。また、この時期は大型連休として定められていおり、地方から都心で学ぶ学生や働く社会人などは帰省し、家族や親戚とゆっくり過ごすのが定番となっている。帰省時期の列車やバスのチケットは半年前から販売開始され、その日になると早朝5時など朝早くから並んで購入する。帰省時にはお土産をたくさん持ち帰り、子どもにはお年玉も配る。
世界共通で愛を伝える日として知られているが、ここベトナムでも同じように恋人同士の記念日とされている。男性が彼女に花やアクセサリー、チョコレートのようなプレゼントを贈る。しかし、女性から男性へプレゼントを贈ることはほとんどない。
日本ではあまり知られていないが、女性の権利と世界平和を目指す日として世界中でイベントが開催されている。ここベトナムでも、毎年催しが開催されている。企業は、女性を対象に割引などの特別キャンペーンを打ち出したり、女性来場客に粗品をプレゼントしたりする。個人では、男性が女性に花やアクセサリーのようなプレゼントを贈り日頃の感謝を示す。
「収穫後の一休み」という意味合いで日頃の労をねぎらい、家族でゆっくり過ごすために設けられた日である。先祖にお供えをし、宴会をしながら月を愛でる習慣が起源とされている。現在は祝日ではないが、この時期になると各地で「獅子舞」が見受けられる。また、「月餅」と呼ばれる伝統的な菓子を贈る習慣がいまだに現存している。
こちらも日本では馴染みがないが、上記「国際女性の日」同様、男性が女性に尊敬と感謝の気持ちを伝える日である。企業は女性客向けのプロモーションを行なったり、個人では男性が身近な女性へ花やアクセサリーのようなプレゼントを贈る。
またまた日本では馴染みがないが、その名の通り、教師に感謝の気持ちを表す日。生徒や生徒の親から先生に、花や化粧品などの日用品を贈る。
日本では近年大盛り上がりだが、ベトナムではまだひっそりとしている。高島屋やイオンなどの外資系ショッピングセンターなどでは、かぼちゃを使ったディスプレイやハロウィンを意識したスイーツなども販売されている。欧米のバーなどではハロウィンパーティも開催されていた。しかし、パーティや仮装を行なうのは、「若者」だけである。そして、都心部だけに浸透しており、郊外ではかぼちゃやお化けの飾り付けや仮装グッズを販売しているお店はほとんどない。
日本で最も盛り上がるイベントと言っても過言ではないクリスマスは、ベトナムでも盛大に盛り上がるイベントのひとつである。ベトナムの主な宗教は仏教だが、南部ホーチミン市はフランスに統治されていた背景もあり、盛大にイベントがとり行われる。派手な街中のショッピングモールや大型ホテルの飾り付けを鑑賞し、写真を撮ることがベトナムでの主なクリスマスの過ごし方になる。その前後で、カフェに立寄りコービーを飲んだり軽食をとったりする。
どのイベントでも、何かしらのプレゼントを贈る習慣が多いことが明らかになった。次の章では、これらイベントに関わる消費動向を調査、まとめる。
(つづく)
[1] 公益財団法人日本女性学習財団『国際女性デー』
http://jawe2011.jp/cgi/keyword/keyword.cgi?num=n000116&mode=detail(2004年3月)
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