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【ブログ】リーガルインターン追住(おいずみ)のインターン記⑨〜試用期間〜



こんにちは。AGSリーガルインターンの追住です。



今回も前回に引き続き、「試用期間」について。



前回はこちら



ベトナム労働法上(以下単に「労働法」とします。)、試用期間中の業務が満足なものであった場合、使用者は労働者と労働契約を締結する義務を負います(労働法29条1項)。この「満足なものであった場合」であるか否かは、使用者に労働契約締結義務を認めて労働者の雇用安定を図る趣旨からすると、使用者の随意によるものではなく、客観的に、業務の性質及び当事者の合意内容等を総合考慮して個別具体的に判断されるものと考えられます。



労働契約には(ⅰ)無期限労働契約、(ⅱ)満12ヶ月から36ヶ月までの有期限労働契約、(ⅲ)季節的業務又は特定業務の履行を目的とした12ヶ月未満の有期限労働契約の三種類あります。もっとも(ⅲ) のうち季節的業務の労働者については試用期間が認められません。

また有期限労働契約の更新回数は一回に制限されています。

以上より、試用期間後、労働契約を締結する場合には以下のパターンが考えられます。

パターン1

①試用期間→②有期限労働契約→③無期限労働契約

パターン2

①試用期間→②有期限労働契約→③有期限労働契約→④無期限労働契約

パターン3

①試用期間→②無期限労働契約



使用者には試用期間結果の事前通知義務が課せられています。

では、使用者が試用期間結果の事前通知を怠り、試用期間終了後も労働者が勤務し続けている場合、使用者と労働者との間に、いかなる法律関係が成立するでしょうか。

試用期間結果の事前通知義務を規定するDecreeも、試用期間後の労働契約の成否・種類については規定していません。



また現法上、有期限労働契約終了後も労働者が勤務し続けた場合についての規定はありますが(労働法22条2項)、試用期間終了後に労働契約が締結されなかった場合については規定が設けられていません。

そのため、試用期間終了後も労働者が勤務し続けている場合の労働契約の成否及びその種類が問題となります。



次回に続きます。



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