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【ブログ】ベトナムと日本の婚姻制度・離婚制度 (1)

ご挨拶

はじめまして!

AGSリーガルチームの杉原と申します。

この度、広島県にある法律事務所からインターンのため来越し、リーガルチームで約3ヶ月間お世話になることになりました!

ベトナムに圧倒されっぱなしの日々を送っておりますが、ベトナムで学んだことや肌で感じたことをブログを通じて発信していきます。

当ブログが、多くの方々にベトナムを知ってもらうきっかけとなれば幸いです。

日本人は「結婚・離婚」に敏感!!

「熱愛発覚!!結婚秒読み!?」「不倫疑惑!!離婚間近!?」

突然ですが、日本では、連日メディアでこのようなフレーズが飛び交います。

普段あまりニュースを見ない人でも、芸能人の熱愛・結婚・不倫・離婚報道となるとついついニュースをみてしまう人もいるのではないでしょうか。

そこで、当ブログでは、日本人が強く関心を持つ「結婚・離婚」すなわち「婚姻制度・離婚制度」をテーマとした情報を毎週お届けしたいと思います。

第1弾のテーマは「ベトナムと日本の婚姻制度」です!

ベトナム人と日本人の結婚に対するイメージを調査し、さらに、ベトナムと日本の婚姻制度(成立要件)を比較してみたいと思います。

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結婚=忍耐・我慢!?

「結婚に対してどのようなイメージを持ちますか?」

社内の日本人、ベトナム人スタッフにズバリ質問してみました。

日本人は、結婚に対し次のようなイメージを持つ人が多いようです。

【安心】【幸福】【忍耐】【我慢】【責任】

皆さんの中には、思い浮かべたイメージがこのいずれかに該当する方もいるのではないでしょうか。若干ネガティブなイメージも含まれているような気がしますね…

他方で、ベトナム人は次のようなイメージを持つ人が多いようです。

【幸福】【共有】【平等】【楽しい】

ベトナム人は、結婚に対し、結婚は恋愛関係のゴールであり、結婚後夫婦は苦楽を共にすることになるというイメージを持つ人が多いようです。

興味深かったのは、全ての人の回答に、“幸福・幸せ”というワードが含まれていたことです。ベトナム人にとっては、“結婚=幸福・幸せ”というイメージが際立って強いようです。

婚姻するには“意思”が大事!!

続いて、両国の婚姻(成立要件)に関する法制度をご紹介したいと思います。

まず、日本の民法によると婚姻の要件は次の3つとされています(民法742条ほか)。

(1) 婚姻意思の合致

(2) 婚姻障害事由の不存在(重婚でないこと、婚姻適齢に達していること等)

(3) 婚姻の届出

これらの要件で注目すべきは、婚姻の成立に“意思の合致”が求められていることです。

仮に、婚姻意思を欠いていた場合には、婚姻は無効となります。また、詐欺・強迫による婚姻についても取消しの対象となっています。さらに、ここでの婚姻意思については、単に結婚したいという意思では足りず、夫婦と認められる関係の形成を欲する意思が必要となります。

次に、ベトナムでは婚姻の要件は次の3つとされています(2014年婚姻家族法第3条,第8条)。

(1) 男女の自由意思による婚姻の決定

(2) 婚姻適齢(男性は20歳、女性は18歳)

(3) 婚姻禁止事由の不存在(偽装結婚でない、既婚者でない等)

要件(1)の“自由意思”とは、誰にも強制、干渉されないことを意味します。

また、要件(3)の「偽装結婚」とは、家族構築を目的とせず、ベトナムの出国・入国、国家の優遇制度の享受等 のために、結婚を悪用することをいいます。

これらの要件からすると、ベトナムでは意思の有無とその内容が婚姻成立に大きく関わっていることがわかります。

誰にも強制、干渉されず、自由な意思で夫婦となることを望んだ相手だからこそ、幸福を体現し、苦楽を共にすることができるのかもしれません。

こうしてみると、べトナムでも日本と同様に、意思の有無だけでなく意思の内容を重視していることがわかります。こうした強い“意思”が、婚姻後も相手を思いやる気持ちに繋がっているのかもしれません。

日本人の結婚に対するイメージには【忍耐】【我慢】【責任】という一見ネガティブに見えるイメージもありますが、相手を思いやる気持ちや、互いに支え合う責任感があるからこそ、我慢や耐え忍ぶことができるのだとも思えます。

すなわち、これらのイメージは裏を返せば“夫婦の結束の強さ”を表しているのではないでしょうか。

このように、何気ないことでも、法制度や他国の文化を介して観察をしてみると、いろいろな発見ができるかもしれません。

以上、ベトナム・日本における婚姻制度についてのご紹介でした。

次回(翌週)のテーマは、「ベトナムと日本の離婚制度」です。お楽しみに!

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