皆さん、こんにちは。AGSホーチミン事務所ビジネスマッチング部の宮本です。
今回は前回の「停電」に引き続き、「ベトナムの電線」についてご紹介したいと思います。
前回の「停電」をお読みになっていない人は下記からどうぞ。
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ベトナムに来られたことがある人もない人もこの写真を見たら驚かれるのではないでしょうか。これは私が所属先の業務で昨年ベトナムを訪れた際に撮影した写真です。
「え?これ大丈夫?」
私も初めてこちらに来たときは正直驚きました。これは本当に電線としての役割を果たしているのか?とか、こんなにたくさん電線を施工して大丈夫なのか?とか…
まぁ考えても仕方ないのですが…。
現在、日本の所属先の企業に在籍しながらベトナムでインターンをしており所属先の業界が電力関係という事もあり、こんな状態で良く整備せずにいられるなぁと思いました。そもそもここまでの状況になってしまえば整備のしようがないのかもしれませんが…。
所属先企業の市場調査で電力会社の担当者と面談する機会があり、ごちゃごちゃの電線について訪ねたことがあるのですが、その方曰く「一応、電線に関する規定(法律の様なもの)はある。」とのこと。(*電柱に掛けられる電線の数は10本までらしいです。)
「10本どころか鳥の巣状態になってるけど……。」
日本も同様ですが、こちらでも電線や電柱を管理するのは電力会社になっており、電力会社の許可無しに勝手に電線を施工することは認められていないとのことです。
しかし、そんなルールはあってないようなもの。各通信会社が無許可に通信線を張り巡らせた結果、現在の鳥の巣状態の電線になってしまったようです。
電線の地中化計画
この鳥の巣状態の電線環境を何とかするために、ベトナム政府も動き出しているようで、ホーチミン市電力公社(EVNHCMC)によると、2011年から開始したホーチミン市の電線地中化は2015年10月時点で中電圧送電線(6~35kV)358㎞、低電圧送電線(220~380V)620㎞の地中化が完了しており、地中化比率はそれぞれ31%と13%となっています。また、地中化の進み具合も各区によって違います。
電線の地中化が最も進んでいるのは1区と3区で中電圧送電線の地中化比率が90%となっています。ちなみにこの1区と3区はホーチミン市の中心地に位置します。1区に関してはビジネス街でホテル、オフィスビル、デパートなどが立ち並ぶホーチミンの中でも最もにぎやかなエリアです。東京で例えると千代田区や港区に似ています。この地域に関しては電線もだいぶ地中に埋まってしまっています。(添付写真)
まとめ
ベトナムでも日本と同じように電線の施工に関するルールはきちんと存在するようです。しかし、電力会社以外の通信会社などがルールを無視し、勝手に電線を張ってしまっているようです。電力関係者の話によれば、彼らも無許可で施工されている電線と判明すれば切断するなどの処置を取るようです。本当かどうかは定かではありませんが。
無許可で施工される電線の問題も地中化してしまえば、そう簡単には施工出来ない。景観も綺麗になり一石二鳥ということでしょうか。
でも、あのごちゃごちゃ電線が無くなると少し寂しい気もしますが…。
では今回はこの辺で失礼させて頂きます。ありがとうございました。
≪参考資料≫