交渉参加国の代表者によ合意がなされ、TPPは太平洋地域の団結と協調の未来への道を開いた。TPPは共有する問題に対処し、チャンスを享受するために、参加国に対して自己改革を要求している。
2015年10月5日は参加した12カ国にとって歴史的に重要な日となった。5年以上に渡る交渉の結果、参加国の交渉担当者達が世界で最も規模の大きい自由貿易協定で最終合意にたどり着いたからである。
TPP協定は多数国参加の自由貿易協定であるが、財サービスの取引や貿易に関する内容だけではない。関税障壁をなくす一方で、加盟している12カ国の間での投資循環を強化する内容も含まれている。
TPP協定が施行されれば、人口8億人、世界のGDPの40%を占め、世界全体の貿易額の30%を占める世界でもっとも大きな自由貿易圏が出来上がる。このことから、とてつもない潜在的な衝撃をグローバル経済と参加国に与えることが想定される。
それゆえに、各国の貿易史の中でTPP交渉は最も難しく、長引いた交渉の一つとして数えられる。アトランタで最終合意に行き着くまでに、参加国は既に20回以上に渡る交渉を重ねていた。その間各国とも交渉の折り合いがつかず、かなりの高確率で交渉断裂に終わると思われていた。
今後10年の間に、TPPによって世界全体のGDPが毎年1%ずつ増加していくことが期待される。ベトナムのGDPは、2020年までに2350億円増加、2025年までに3350億円増加する見込みである。また2025年までにベトナムの総輸出額が680億ドル増加する見込みである。主要な輸出先である日本、カナダ、アメリカは輸入関税を減額するので、ベトナムの輸出は加速していくだろう。ベトナムは、新しく形成された供給チェーンと改善された投資環境によってTPP協定が施行された後に新しいチャンスを手に入れるだろう。
最近は、ベトナムで多くの外資系の大企業がTPPを見据えて、新規プロジェクトへの投資や、生産の拡大を行っている。
TPP合意は、ベトナムに管理運営機能の改革と軍部、官僚の腐敗を改善するためのモチベーションの一つとなる。しかしながら、ベトナム企業が新規市場開拓への圧力、競争の激化等の困難に直面することも意味する。ベトナム企業は十分な準備が必要であろう。
http://en.vietnamplus.vn/tpp-bright-future-for-participating-countries/82819.vnp (151008)