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【AGS法務部ニュース】最新法令のアップデート:食品添加物の管理及び使用に関する保健省通達

1. 食品添加物の管理及び使用に関する保健省通達24/2019/TT-BYTの公布

保健省が2019日に公布した食品添加物の管理及び使用に関する通達No.24/2019/TT-BYT(「通達24」)は、2019年10月16日より施行されています。

通達24の施行により2012年11月30日付の保健省発行の食品添加物の管理及び使用に関する通達No.27/2012/TT-BYT(「通達27」)、2015年5月11日付の保健省発行の通達No.08/2015/TT-BYT、及び2001年8月31日付の保健省発行の決定No. 3742/2001/QD-BYTのパートIIIは無効となります。

通達24は、ベトナムにおいて食品及び食品添加物の製造、販売及び輸入に関与する組織並びに個人及び関連規制機関、組織、個人に適用され、使用が認められている食品添加物のリスト、食品添加物の使用、管理について規定しています。また、通達24には以下の附録が添付されています。

  • 附録1:食品に使用することが認められている食品添加物のリスト
  • 附録2A:食品添加物の最大使用量
  • 附録2B:CODEX STAN192-1995(2018)で規制されていない食品添加物の最大使用量
  • 附録3:GMPに従った使用が認められている食品添加物及び食品添加物を使用する食品のリスト
  • 附録4:食品グループの分類及び説明
  • 補足
食品安全法No.55/2010/QH12 第2条13項によると、食品添加物は、栄養価の有無にかかわらず、食品の特性を保存し、又は改善することを目的としてその生産過程において食品に意図的に加えられる物質と定義されています。

通達24は、上記の附録とあわせて、食品に使用することが認めらている400つの添加物のカテゴリーと各タイプの最大使用量のリストを公布しています。

食品添加物を使用する組織及び個人に対しては主として以下の義務、責任があります。
  • 食品添加物は、規定された食品添加物を除き、市場流通前に申告しなけれなばらない(通達24第11条1項)。
  • 新たな用途の混合食品添加物、この通達に規定される使用が認められた食品添加物のリストは、公式使用又は市場流通前に、ベトナム食品管理局(Vietnam Food Administration)及び保健省に登録しなければならない (通達24第11条2項)。
  • 食品添加物がこの通達に違反することが発覚した場合、その食品添加物の製造、販売及び輸入を停止し、所轄機関にその違反を報告しなければならない (通達24第17条3項b)。
  • 現在の法令の規定に従った安全要件を充足していない食品添加物を取り消さなければならない(通達24第17条3項c)。
  • この通達が規定していない食品添加物又は食品の種類の追加について要望がある場合、組織及び個人は検討のためにその製造の安全性について科学的証明をしなければならない(通達24第17条3項d)。
なお、ベトナム食品管理局(Vietnam Food Administration)は主要な責任を引き受け、関連する管轄機関と連携して、この通達の実施及び検査を全国的に実施します(通達24第17条1項)。

2. 通達 24/2019/TT-BYT及び通達No. 27/2012/TT-BYTの相違点

上記1のように通達24の発効により、同種の内容を規定していた通達27及びその他の関連する通達、決定は失効していますが、通達24と通達27との相違点は以下になります。
従前の食品添加物の管理及び使用に関する

通達No. 27/2012/TT-BYT
現行の食品添加物の管理及び使用に関する

通達No. 24/2019/TT-BYT
1 該当規定なし。 以下のように、具体的な適用対象を明記している。

2 適用対象

この通達は、ベトナムにおいて食品及び食品添加物の製造、販売及び輸入に関与する組織並びに個人及び関連規制機関、組織、個人に適用される。
2 2条 用語及び略語の解釈

この通達において、以下の用語及び略語は以下のように解釈される:

1. CAC:Codex Alimentarius Committee(食品規格委員会)。

2. GMP:Good Manufacturing Practices(適正製造基準)。

3. ML – Maximum Level (最大量):食品又は食品グループに使用された際に効果的且つ安全であると看做される添加物の最大量。最大量の測定単位は食品1kgあたりのmg(mg/kg)とする。

4. INS – International Numbering System(国際番号システム):CACにより規定される食品添加物の番号システム。

5. 食品分類番号:食品添加物の管理のためにCACにより開発された食品分類システムに従った食品又はそのグループの番号。

6. 食品添加物の使用は以下を含む:

a) 食品添加物の製造、加工、流通及び輸入

b) 食品添加物を含む食品の製造、加工、流通及び使用
以下のように、用語定義を追加している。

3条 定義

この通達において、以下の用語及び略語は以下のように定義される:

1. “CAC”はthe Codex Alimentarius Commission(食品規格委員会)を意味する。

2. “JECFA”は、食品添加物に関するFAO/WHO合同食品添加物専門家会議を意味する。

3. “香味料”(食品添加物)は、食品に香料を加える、変化させる又は増加させるために食品に加えられる物質である。香味料は、香味物質、自然香味料混合物、加熱処理に使用される香味料、燻製香味料及びそれらの混合物を含み、香味料の使用の指針を規定する国家規格TCVN 6417:2010の3.5項に規定される条件の非香味食品成分が含まれる。香味料には(砂糖、酢又は塩のような)甘味、酸味又は塩味のみを作り出す物質、コーデックス分類名及び及び食品添加物番号システムのAC/GL 36-1989の食品添加物と看做される調味料は含まれない。

4. “非香味食品材料”は、食品添加物/食品成分として使用される材料で、香味料の製造、保存及び輸送、溶解、分散又は希釈のために必要な材料を意味する。

5. “一日摂取許容量”(“ADI”)は、人間の健康への相当のリスクのない生涯における食品添加物の一日摂取量を意味し、体重1kgあたりのmgで表示される。

6. “規定/制限されない一日摂取許容量”は、利用可能な化学的、生化学的並びに毒物学的データ及びその他の要因に基づく毒性が非常に低い食品添加物一日摂取量を意味する。この摂取量は要望する効果を達成するために必要で、且つ人体の健康に大きなリスクのない量で許容される。

7. “最大使用量”(“ML”)は、1つの食品又は食品グループにおいて機能的に効果的であると決定された食品添加物の最大量を意味し、通常、食品1kgあたりの食品添加物mg又は食品1リットルあたりの食品添加物mgで表示される。

8. “新たな用途の混合食品添加物”は、その成分とは用途が異なる少なくとも二(2)以上の食品添加物が含まれる食品添加物を意味する。
3 3  食品添加物の使用における禁止行為

1. この通達と共に公布された附録1の使用が認められた食品添加物のリストに含まれていない食品添加物の使用。

2. この通達と共に公布された附録2の使用が認められた食品添加物の許容限度を超える食品添加物の使用。

3. 第6条に規定されている管理要件を完全に充足していない食品添加物の使用。

4. 起源不明、又は有効期限の過ぎた食品添加物の使用。
該当規定なし。
4 該当規定なし。 4条 使用が認められる食品添加物のリストの作成のためのルール

1. 人体の健康の確保。

2. 食品添加物の管理及び使用に関する国際規定及び基準の遵守。

3. ベトナム、CAC、JECFA及び外国の所轄機関による食品添加物のリスク管理に関する提案に遅れず整合している。
5 6条 食品添加物に対する管理要件

1.食品添加物を製造及び流通する工場は、2012年10月22日付の保健省通達No.16/2012/TT-BYT で規定される要件を完全に充足しなければならない。

2.食品添加物の食品安全規制への適合性又は遵守について、食品の製造又は加工のために食品添加物を製造、流通、輸入及び使用する前に公表しなければならない。食品安全規制への適合性又は遵守の公表の順序及び手続は2012年11月9日付の保健省通達19/2012/TT-BYT規定されている。

3. 食品の製造及び加工に対するGMPの適用は以下を保証するものでなければならない:

a) 技術要件を充足するために必要な食品添加物の量は最小限である;

b) 食品の製造、加工、保存、包装及び輸送の間に使用される食品添加物の量は食品の性質を変化させない。

4. 食品添加物は法令に従ってラベル表示される。
7条 食品添加物の使用に関する一般原則

1. 食品添加物の使用は以下を保証しなければならない:

a) 食品添加物は使用が認められたものであり、適切な食品に対して使用される;

b) 食品添加物の使用量は1つの食品又は食品グループに適用される最大使用量を超えない;

c) 食品添加物は要望する技術的効果の実現のために必要な最小限の量を使用する。

2.  食品添加物は その使用が人体への健康を害することなく、又は顧客を欺くことなく要望する効果を実現することができる場合にのみ使用される。食品添加物は、以下の目的を達成するためにより経済的及び技術的に効果のあるその他の選択肢を利用することができない場合にのみ、その目的を実現するために1つ以上の機能のために使用される。

a) 食品の栄養価の維持。食品添加物が食品成分として使用される特別用途の製品(例:食事性糖質)は、この通達によっては規制されない。

b)  顧客を欺くためにその性質又は品質に影響を与えることのない食品の品質管理、安定性、感覚刺激性の改善の向上

c) 低品質の材料又は不適切な製造/技術運用の使用により発生する効果の処理する目的ではない、製造及び輸送の支援。

3. 食品添加物は以下の書面に従った技術及び食品安全条件を充足しなければならない。

a) 国家技術基準、又は適用される国家技術基準がない場合における所轄管理機関により規定された法的文書の規制;

b) 上記aに規定される規制が適用されない場合における国家規格;

c) 上記a及びbに規定される規制が適用されない場合におけるCAC及びJECFAの規格、地域及び外国の規格;

d) 上記a、b及びcに規定される規制が適用されない場合における製造者規格

4.  製造において食品添加物が使用され、食品内に検出される場合、その食品の製造のための材料又は成分に既に食品添加物が含まれている場合に食品添加物は食品内に検出される。この場合、この通達第9条の規定を遵守しなければならない。
6 6条 食品添加物に対する管理要件

4.食品添加物は法令に従ってラベル表示される。
12条 ラベル表示

2017年4月14日付の物品のラベル表示に関する政府の政令No.43/2017/ND-CP及び関連する書面に従って食品添加物のラベル表示が実施される。
8 該当規定なし。 13条 食品添加物の生産、取引、使用における食品安全に関する行政違反処分

食品添加物の製造、販売及び使用における食品安全に関する行政違反に対しては、食品安全に関する規定の行政違反に対する罰則に関する2018年9月4日付の政府の政令No.115/2018/ND-CP及び関連文書に従って処理される。違反において行政違反処罰法に規定される加重すべき事情がある場合、処分権限を有する者は最大までの罰金を課すこと及び登録済みの製品公表の証明書の取消を検討、決定する。

以上

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