ベトナム労働・傷病軍人・社会事業省は、政府首相に対し、COVID-19による社会的影響が甚大であることを踏まえて2021年の地域別最低賃金(一般労働者向け)の引き上げを見送るよう提案しました。元々は、2020年8月5日の国家賃金審議会第2回会合にて①2021年1月1日より平均2.5%引き上げる案、②2021年7月1日より平均3.95%引き上げる案の2案が検討されていました。しかし、同年8月28日には2021年の地域別最低賃金を現在の金額を維持することを内容とする報告書No.06/BC-HDTLQCを政府に提出していました。政府は今後、各提案を受けて最終判断を下し、正式に政令を公布する見通しです。将来的には適切なタイミングで引き上げに関する具体的な検討が再開されますが、その時期としては2021年7~9月頃に行われるとの見方が有力です。
ちなみに、2020年10月20日にベトナム財政相は、第14期第10回国会において財政状況を報告し、その中で政府が2021年の公務員の最低賃金の引き上げの見送りを提案したことも明らかにしています。
なお、現行の地域別の最低賃金は次の通りになっています(政令No.90/2019/ND-CP)。
地域 |
最低賃金額 |
第1種 |
442万VND |
第2種 |
392万VND |
第3種 |
343万VND |
第4種 |
307万VND |
以上