AGSインターン生の新井です。
先週の「ホーチミンへ飲食店出店への歩み~part1~」に引き続き、part2を書かせていただきます。
今回は、part1で前置きだけで終わってしまった「ベトナムのスタイルを取り入れて成功している寿司屋A社の調査」について報告いたします。
この調査で明らかにしたかったことは、2点あります。
それは「現在もA社は成功しているのか」と「もし成功しているなら、その要因は何なのか」ということです。
前者は、この市場環境の変化が著しいベトナムにおいて、1,2年前の情報があてにならなくなることは良くあるので、A社の現状を把握する必要があると考えました。後者は、この調査の本題です(詳しくはpart1参照)。
この2点に対して結果から申し上げると、
A社は現在も成功しており、その成功要因は「立地」と「個性によるブランド力」
であると結論づけました。
この結論に至った根拠として、まずは次のグラフをご覧ください。
これは、あるレストランモール内にあるA社の店舗と、その正面にある他社であるB社の店舗の30分単位の来店人数を示したものです。このグラフからA社が他社より繁盛していることがわかります。
また、A社の1号店における平日1日の売り上げは、私の調査から60~70万円以上と推定しました。さらに、休日前や週末はそれ以上であると思われます。
この結果から、「A社は現在も成功している」と言えるでしょう。
と言いつつも、A社の全ての店舗が成功している訳ではありませんでした。
(さっきと言っていることが違うじゃないか!と言われてしまいそうですが…)
次のグラフをご覧ください。
これは、A社の3店舗(X、Y、Z店)それぞれの11:30~13:30までの累計の来店人数を示したグラフです。店舗の規模は多少異なりますが、他2店舗と比べるとZ店はうまくいっていないと考えることができます。
全く同じA社の店であるにもかかわらず、場所が異なるだけで、これほどの差が生まれています。
この結果から、「立地」がA社の成功に大きく関っているのではないかと考え、客がどこから来るのか、X、Y店で調査しました。
その結果、昼食時のX店の客のうち、4~6割がX店と直結しているオフィスや近隣オフィスからの客、1割弱が直結しているホテル利用者であるとわかりました。
つまり、結論として、
X店は場所の優位性によって集客に成功しており、成功要因は「立地」である
といえるでしょう。
一方で、X店より累計来店人数が多いY店の客はどうでしょうか。
Y店も店舗正面や周辺にいくつかの大きなオフィスビルがあります。しかし、近隣から徒歩でY店に来る客は、来店者の3割以下です。大多数がタクシーや社用車、バイクで来店していました。
この結果と先程述べたX店の結果を考慮して、近隣から来た客のみの人数(推定値)を出すと、次のグラフのようになります。
X店の来店者は7割、Y店の来店者は3割が近隣からの客だと考えました。
これを見ると、X店の場所の優位性、つまり立地による成功がより一層際立ち、それに比べてY店の成功要因が立地だとは言えないことがわかります。
では、Y店が近隣の客ではなく、遠くから客を集めることができている要因は何なのでしょうか?
それは、A社の2つ目の成功要因である「個性によるブランド力」です。
これについては、次回の「ホーチミンへ飲食店出店への歩み~part3~」で書いていきたいと思います。
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