電子インボイスに関する政令119/2018/ND-CPの一部条項の実施細則を規定する 通達No.68/2019/TT-BTC
財務省が2019年9月30日付で公布した商品の販売及びサービスの提供に関する電子インボイスについて規定する政令No.119/2018/ND-CPの一部条項の実施細則を規定する通達No.68/2019/TT-BTC (「通達68」)が2019年11月14日より施行されています。
通達68によると、本通達の施行日から2020年10月31日までの間は電子インボイスに関する財務省通達及び財務大臣決定は有効であり、2020年11月1日より通達68に従った電子インボイスの使用が求められます。すなわち、2020年11月1日より、企業、組織、事業世帯及び個人は政令政令No.119/2018/ND-CP及び通達68の規定に従って電子インボイスの使用、登録をしなければなりません。通達68には附録として電子インボイスの書式サンプル、税務署に提出される電子インボイスの統合データサンプルも添付されています。
通達68に関する主な留意点は下記になります。
1. 電子インボイス上の売主及び買主の電子署名(通達68第3.1.đ号)
- 売主が企業又は組織の場合、インボイス上の売主の署名者はその企業又は組織となります。売主が個人の場合、署名者はその個人又は個人から委任を受けたその他の者になります。
- 買主が組織であり、売主と買主が売主が発行する電子インボイス上に電子署名を使用することに合意している場合、売主はそのインボイス上に電子署名を書き加えなければなりません。
- 商品及びサービスがベトナム国外に売却される場合やスーパーマーケット、ショッピングモールが事業者ではない個人に販売する場合、事業者ではない個人にガソリン、請求を販売する場合などの一定の場合には、電子署名は不要となります。
2. 電子インボイスの作成時期
複数回の分割されて引き渡される商品の販売、複数の段階に分けて提供されるサービスに関する電子インボイスは、下記のとおりとなります。
- 商品の販売に関する電子インボイスについては、請求額の支払がされたか否かにかかわらず、商品の所有権又は使用権が買主に移転した時点。
- サービスの提供に関する電子インボイスについては、請求額の支払がされたか否かにかかわらず、サービスの提供完了時点。
- 複数回の引渡が必要となる場合、又はサービスが複数の段階に分けられる場合、それぞれの引渡又は段階における数量、価格、製品又はサービスを記載したインボイスを発行しなければならない。
その他、商品、サービスの種類に応じて、電気、水道、電気通信といった定期的なインフラサービスは計測日又はサービス提供後7日以内、不動産取引、住宅建設で所有権、使用権が移転する前は契約に基づき支払が行われた後といったように個別に発行日が規定されています。
3. 電子インボイスサービスを提供する組織の条件
は通達68第23.2項、政令No.119/2018/ND-CPに規定される条件を充足することが求められます。なお、2019年10月時点でハノイ税務局が電子インボイスの関連サービスの提供に関する契約を締結した企業はMISA JOINT STOCK COMPANY、M-INVOICE CO., LTD 、CMCSOFT CO., LTDなど合計9社あります。
4. 電子インボイスの使用の停止(通達68第9.1.a号)
税務当局の認証コードが付された電子インボイスについて、税務当局は下記の場合にその発行を停止させることができます。
- 企業、経済組織、事業世帯又は個人が無効となった税識別コードを使用している場合。
- 税務当局が企業、経済組織、事業世帯又は個人に対してその登録住所において運営していないと判断し、通知した場合。
- 企業、経済組織、事業世帯又は個人が所轄当局に対して一時的な事業停止(休眠)を通知した場合。
- 企業、経済組織、事業世帯又は個人が税務当局から租税債務の支払執行を目的として電子インボイスの発行停止の通知を受けた場合。
- 密輸品、禁制品、知的財産権を侵害する製品の販売のために税務当局の認証コードが付された電子インボイスが使用された場合。
- 詐欺目的で商品、サービスを空売りするために税務当局の認証コードが付された電子インボイスが使用された場合。
- 条件付事業分野を実施する企業で法令上の条件を充足しない企業に対して事業登録機関又は所轄当局がその条件付事業分野の停止を要求した場合。
以上
