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【ブログ】現場におけるダイバーシティマネジメント

こんにちは!
BM部署インターン生の塩澤慶祐です。今週のブログを書いていきます。
今週のテーマは「現場におけるダイバーシティマネジメント」についてです。

1.ダイバーシティマネジメントとは

 そもそもダイバーシティ(Diversity)は一般的に「多様性」と略されており、表面的なジェンダー、人種、民族などの違いや、深層的な価値観、人格、能力などの違いとして認知されています。
 しかし、ダイバーシティ(Diversity)は本来、「Diversity & Inclusion」を略したものであり、「多様性の受容」ということを意味しています。そしてこの「受容」こそが、ダイバーシティマネジメントにとって重要となってくるのです。

 近年のグローバル社会においては、自分と異なる人種や価値観を持つ人とも共に仕事を進めていくことが求められています。特に海外で勤務する場合は、なおさら重要です。そのような環境下では、「多様性」を淘汰するのではなく、理解し受容しなければなりません。実際に近年では、多くの企業が積極的な女性従業員の採用や外国人労働者の採用を行なっています。

以上のように近年では、ダイバーシティを理解し、マネジメントしていくべきだという傾向が強いです。


2.ダイバーシティのメリット

 ダイバーシティマネジメントには、主に4つのメリットがあるとされています。もちろん、企業の組織文化や戦略に左右されますが、学術的に以下のメリットの正当性が認められています。

①コスト面での競争優位
 従業員を無理に社内に同化させないことで、人材育成に関わるコストを削減できると言われています。また、「多様性の尊重」によって人材流失を抑え、再採用などのコストを抑えることも期待できます。(特に女性。女性が尊重されない会社では育休や産休での離職率が高い)

②人的資源獲得面での競争優位
 一定の人材だけではなく、幅広い人材を採用することができるため人的資源獲得によって競争優位を生み出すことができるといわれています。
 また、単なる量的な優位だけではなく、「多様性を尊重する会社」としての認知度が高まれば、優秀な人材を惹き付けることもできるそうです。

③創造性での競争優位
 異質性の高いチーム(色々な人材がいるチーム)は、異なる様々な視点を持つため創造性が高いと言われています。企業の存続のために常にイノベーションが必要な現代において、創造性での競争優位は企業にとって大きな魅力となるでしょう。

④海外進出先での競争優位
 多様性を持つ会社は海外進出の際に、大きな競争優位を生み出すとされています。海外進出を行なう場合は、進出先の情報をより多く正確に集めてから戦略を策定していくことが必須であり、進出先を熟知する現地の人材は重宝されます。逆に、同じ国の従業員だけで構成される企業は海外進出が困難となるかもしれません。

3.ダイバーシティのデメリット

ダイバーシティは、コンフリクトを招きやすいといわれています。
言語や文化の壁だけではなく、仕事に対する考え方の違いや仕事の進め方の「違い」は時に社内の対立を生み出すことがあるそうです。

企業は、どのようにコンフリクトを解消し、ダイバーシティの恩恵を得るのかという命題に常に悩まされることでしょう。

4.実際にインターンをしてみて感じていること

これまでは、一般的な学術的な事実を述べてきましたが、最後に「では、実際に海外の現場はどうなのか?」ということを、私のインターンでの経験を踏まえて書いていきたいと思います。

 第一に私が感じたのは、「実際の現場」でのダイバーシティ活用の難しさです。上記に書いた通り、「多様性」をありのままに管理することのメリットは様々です。一方で、「実際の現場ではそう簡単にいかない!」と日々感じています。
 企業は海外進出をする際、ハード面(戦略や技術)・ソフト面(組織風土)を海外の支社においても適用していることが多いです。もちろん完全に適用するのではなく、現地での外部環境に合わせ会社を一部土着化させ、本社でのやり方と現地でのやり方を融合させて新たな経営手法をつくり出していきます。
実際に、公用語を日本語にしたり、意思決定のプロセスに本社を通している会社もあるそうです。
(参考:http://ags-vn.com/【ブログ】ベトナム人社員の日本語教育のコスト)
 つまり、現地社員も日本流に標準化された仕事を求められています。そのため、「多様性」をありのまま活かしている会社は少ないのではないかと考えています。
 理論では、メリットが多い「ダイバーシティ」ですが実際の現場では、プロセスの効率化や成果を重視すると簡単にはいかないなと感じています。ゼロサム的な考え方ではなく、「どの部分を標準化し、どの部分を残すのか」という考え方が重要であると実感することができました。

 第二に私が感じたのは、海外ビジネスにおける現地従業員の重要性です。上記に書いた「ダイバーシティ」のメリットの中で、海外進出先での競争優位というものがありました。
 実際に働くとその重要性を確かに感じます。特にベトナムでは、ベトナム語を話せる従業員がいないと難しい場面が多々あります。成長中の国であるとはいえ、先進国と比べると第二言語を話せる人はまだまだ少なく、特に中小企業や零細企業にいくほどその割合は低くなっていく印象です。実際に私が訪問した中小企業が集まる展示会でも、ベトナム語を用いたコミュニケーションが必須でした。
 だからこそ、現地従業員を上手くマネジメントしていくことで、ビジネスの幅も増え競争優位を生み出す事が可能であると感じました。


今週の内容は以上です!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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