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【ブログ】世界有数のビール国家、ベトナムのビール市場に迫る

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みなさんこんにちは。

AGSホーチミン事務所の閑野です。

突然ですが、ベトナムで「お酒」という言葉はすなわち「ビール」と連想されるほどビールはベトナム人の生活に根強く浸透しています。

実際、私の住むホーチミン市には多くのビアホールが点在しており、平日・休日を問わず、多くのベトナム人で賑わいを見せております。

ビール市場

ではベトナムにおける「ビールの消費量」はいったいどの程度の規模になるのでしょうか?

日本の大手ビールメーカーであるキリンが公表したレポートによれば、2015年時点でのベトナムの消費量は383万2,000kℓだといいます。

これは、世界で9位、東南アジア圏内で1位と世界でも高いランキングに位置しています。

※(ちなみに、東南アジア2位はタイの188万1,000kℓ、世界1位は中国の4326万6000kℓ、日本は538万kℓで世界7位となっているようです。)

いかにベトナム人がビールを消費しているかが伺えます。

ビールの市場シェアについて

国内の市場シェアはどうでしょうか?

実は、現在ベトナムのビール市場はSABECO、HABECOの国営企業2社によってなんと市場の60%を占められています。

ユーロモニター・インターナショナルの調査では、2014年時点の各社市場シェアの内訳は、SABECOが46%、HABECOが17.3%のシェアとなっており、特にSABECOの市場シェアの大きさが顕著である事が確認できます。

ビール市場の攻略法

このように地場系企業が圧倒的に強いベトナムのビール市場を眺めると、後発のビールメーカーがもはや立ち入る隙が無いようにも見えますが、攻略の糸口は実は存在します。

その答えはなんと「飲食店」にあります。

ベトナムにおけるビールは「コミュニケーションツール」としての側面が強く、基本的にビアガーデンで多くの友人と嗜む傾向にあります。

そのため、ベトナムビール市場ではこのビアガーデンをいかに配下に置くかで勝敗が決まるといっても過言ではないといいます。

実際、近年大きな成長を遂げているHeineken Vietnam Brewery社は自社製品「ハイネケン」を武器に、ビアガーデンと専売契約を結ぶ草の根活動を行いました。

元来、プレミア感を売りにPRを行っていた同社の看板は、高級感を演出したい地元のビアガーデンにとっては最高のステータスになります。

両者の思惑がうまく合致し、結果的に同社2011年時点で18.2%の市場シェアを獲得し、業界2位に躍り出ました。

現在、ベトナムにはハイネケンだけでなく、サッポロビールやシンハービール、バドワイザーなど、多くの外資ビールが覇権を争っています。

今後、これらの企業はHeineken Vietnam Brewery社のように地場系メーカーの牙城を打ち砕く事ができるのでしょうか。

今後の動向には目が離せませんね。それでは本日は以上になります。       ヘンガップライ。

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