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【ブログ】ベトナムの環境問題

皆様こんにちは。

AGSの三木です。

この一週間で雨季に入り、夕方のスコールで渋滞が目立つようになってきました。

バイクタクシーで渋滞に巻き込まれたときに一番気になるのが排気ガスです。

今回はベトナムの環境問題について書かせて頂きます。

ベトナムにおける環境問題は積極的な外資優遇政策による急速な工業化の一方で、それに対する法規制が不十分であったことが原因です。

現在ベトナム、特にハノイ、ホーチミン、ダナン、ハイフォンでは主に大気汚染、水質汚染、土壌汚染などが問題となっています。

大気汚染の主な原因は車やバイクの排気ガス、工場からの有害ガスの排出です。

また、地方の農村部では排気ガスでの汚染は深刻でないものの、焼畑での大気汚染が問題視されています。

WHOの調査によると、ハノイの一酸化炭素濃度はWHO基準の1.5倍で呼吸器系の病気も多数報告されています。

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交通渋滞で車道が通れない為、歩道を走るバイク。



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東南アジアの他都市と比較しても大気汚染値が高いホーチミン。

水質汚染や土壌汚染についても、急速な工業化が進む一方で排水処理システムが整っていない工業団地は全体の約25%、ハノイの工場でも排水処理システムを持っているところはわずか全体の4分の1です。そのような場所からの産業排水の流出、病院から未処理の感染性のある水の流出という原因がありながらも、それを規制する法が整備されていないのが現状です。

こうした問題を抱える中、ベトナム政府は、

1994年:環境保護法を施行。
2002年:天然資源環境省設立。
2005年:環境保護法を改正。

と、環境問題の改善に向け国単位で動き始めました。しかし、この問題に関わる人員や予算、経験の不足により政策は上手く実施されませんでした。

そこで過去にベトナムと同じように発展段階での環境汚染、公害の経験を持つ日本に支援を要請しました。

これを受けてJICAは、2003年より、水分野を中心に協力を実施し、下水道、大気、廃棄物分野においてサポートを行いました。また2010年からは、大気汚染による気候変動に備えた支援も行っています。

その後日系企業も水のリサイクルシステム構築、排水処理システム構築をはじめとする環境問題対策を講じています。

このように日本から進出してきた企業としてベトナムの環境を保護する動きは高まり続けています。

ベトナム進出に際しては、禁止業種や規制業種を規定した共通投資法などの国内規制に加え、WTO加盟時に批准されたWTOコミットメントにおいてベトナムでは12のサービス分野のうち、次の11分野について段階的に開放していくことを批准しました。

その分野のひとつに環境サービス分野も含まれており、サービス提供方法等に関し一定の制限が課せられてはいますが、外資100%での法人設立も可能です。

大気汚染、水質汚染、土壌汚染だけでなく廃棄物の再利用や焼却において高い技術を持つ日系企業のベトナム進出は将来的にも見込みがあり、ベトナムの環境問題に与えられる影響は多く更に日越関係を良いものに、日本企業としてもベトナムでの成功に繋がるのではないでしょうか。

「AGSでは進出前の各種調査から、現地法人・駐在事務所の設立、進出後の会計・税務・監査・労務・法務等までベトナムビジネスにおけるトータルサポートを行っております。ベトナムに進出をお考えの皆様、AGSにお気軽にご相談くださいませ。(日本語対応可)」

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