こんにちは。AGSリーガルインターンの追住です。
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ベトナム労働法には、社会主義国というお国柄、労働者保護を強く打ち出した様々な規定があります。その中には日本の労働法とは異なる規定も相当数存在するため、ベトナムで起業する際には、労使トラブルを事前に防止するためにも、ベトナム法の正確な知識と理解が必要となります。
今回はそのうちの一つをご紹介します。
ベトナム労働法によりますと、定年退職前最後の一年間は、定年退職予定者の勤務時間を、一日当たり最低1時間短縮することが義務付けられています。
例えば、現在59歳の男性従業員については定年退職前の一年間については、8時間-1時間=7時間/日勤務としなければなりません。
なお、ベトナム労働法上、定年は男性満60歳、女性満55歳とされ、法定の勤務時間は一日8時間、かつ一週間48時間と定められています(この点も日本法との比較が興味深いです)。
労働者にとっては嬉しい規定ですが、会社にとっては、責任あるポジションにいる定年退職予定者が終業時間の1時間前に一人だけ帰ってしまうのは避けたいところでしょう。
ベトナムに進出する日系企業様がここ十数年で増えてきたことに鑑みると、日系企業様において、定年まで勤続する従業員はこれまで多く在籍していなかったのではないでしょうか。そのため、定年退職予定者の対応に関して、これまでは問題が表面化してこなかったものと思われます。
しかし、今後、多くの企業様において、従業員の中に定年退職予定者が増えてくることが予想されます。そのため定年退職予定者の対応を、会社の利益を最大限実現する形で考える必要がでてくることでしょう。
弊社ではベトナム法に精通した日本人弁護士、ベトナム人弁護士により、クライアント様の利益を最大限実現する包括的なリーガルサービスを提供しています。
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