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【ブログ】不動産バブル~翻弄されるベトナム人~

ホーチミン市の夜景(ダイアモンドプラザ)
みなさんこんにちは。

AGSの閑野です。

突然ですが、皆さんはベトナム不動産業界でプチバブルがおきた事をご存知でしょうか?

人口約800万人を有し、ベトナムの経済を担うホーチミン市ではその傾向は特に顕著でした。

今回はそんなホーチミンの不動産業界についてご紹介させていただきます。





そもそもなぜプチバブルが起きたのか。



「経済成長が著しい国」として日本の番組で紹介される通り、ベトナムは今まで安定的な経済成長を遂げてきました。この理由として、ベトナムを新たなビジネスチャンスとして考える外資企業がベトナムに進出したことがあげられます。



日々発展する街並みを見て、これをチャンスと捉えた投資家たちは資金集めに奔走し、金融機関に融資を迫りました。銀行側もこの投資に将来性を感じ、投資家たちに対する融資を解禁しました。



この一連の流れに尾ひれがつき「不動産はこれからも高騰する、決して下落はしない」といった根も葉もない神話がいつしか流布していったようです。これが先ほど話したベトナムのプチバブルの元凶です。



某不動産会社で働いている私の友人の話では「実際に将来のことを考えて不動産を購入する人はかなり少数で、大半が『儲かるといううわさを聞いたから』といった安直な理由で不動産に手を出していますね」といった答えが返ってきました。なんとも末恐ろしいですね。



今では以前ほどの価格の高騰は見られませんが、以前よりも価格が上昇したことに変わりはありません。1995年に600USD/m2だった土地が現在では1600USD/m2にまで価格が値上がりしています。なので、平均的な戸建てを建てるとなると最終的に4000万~6000万円にもなってしまうんだそうです。大卒初任給が300ドル程度であることを考えれば、この金額がどれだけの大金かが分かっていただけると思います。



ベトナム人は念願のマイホームを一生かかっても購入することができないのか、と悲観される方もいらっしゃることと思いますが、ご安心下さい。近い将来にこれらの価格が徐々に値下げしていくのではないかと現在言われております。



その理由は、現在工事中の電車が2020年に運行されるからです。



実は、価格が高騰している土地はその大半が市内の中心部に位置しています。中心部の土地が高騰するのは当たり前のように感じますが、実はホーチミン市では土地の高騰が中心部で局所的に発生しているのです。それはベトナムではインフラ整備が不十分なため、移動手段の大半がバイクに依存しているためです。



移動手段がバイクしかなければ、自然とその行動範囲が狭くなり、土地の需要にも反映されていくわけです。



もし電車ができればベトナム人の行動可能範囲が広くなるため、遠方の土地の価値が上がり、その一方で都心の価値は相対的に下がっていくことが予想されています。



そうなれば、いつかはベトナムも日本のように郊外のベッドタウンに念願の新居を構え、電車を使って都心に通勤するような生活が当たり前になる、そんな時代が来るかもしれませんね。



それでは本日は以上になります。次回もよろしくお願いします。      ヘン・ガップ・ライ。

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