皆様こんにちは、「日本人なのに化粧しないの、珍しいね。」と本当によく言われるAGSホーチミン事務所の渡邊です。(ちなみに化粧はしているつもりです。)
日本人にもベトナム人にも頻繁に言われており、そろそろ効果のない化粧を改めようかと考えている今日この頃です。
「日本人なのに」と言われると、じゃあベトナム人の化粧事情はどうなんだろう、と気になりませんか?そこで今回は、ベトナムの化粧事情について取り上げたいと思います。
ベトナム人はあまり化粧をしないのか。
ベトナムでは、驚くことにお手洗いで顔を洗っている女性をよく見かけます。つまり、顔を洗っても問題がない状態=すっぴん、なのです。ベトナムの化粧品消費市場は、アセアン5カ国(インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、マレーシア)の中でも最少額であると言われており、他国と比べても化粧をする人が少ないことが推測できます。
タイ :3,629 億 5,000 万円
インドネシア:2,995 億円
フィリピン :2,160 億 4,700 万円
マレーシア :1,055 億 1,000 万円
ベトナム : 650 億 1,000 万円
(出典:矢野経済研究所*1)
日本はというと、2015年度の国内化粧品市場が2 兆 4,010 億円と、(出典:矢野経済研究所*2)「化粧大国」であることが分かります。
筆者はタイのバンコクに4年間ほど住んでいたのですが、ベトナム人よりもタイ人のほうがメイクをしている人が多かったように感じています。
では、ベトナム人は美容に関心がないのでしょうか?
ベトナム人 美容への関心
ベトナムでは、化粧をしないこと=美容への関心が低い、ではないようです。アセアンの市場情報を取り扱う、アジアクリックの調査*3 によると、調査対象女性300人のうち、約4割が「特別なときにだけ化粧をする」と回答した一方で、「毎日スキンケアをする」と回答した人も4割程度と、日々の化粧よりも日々のスキンケアを優先していることが分かります。
美意識に関して言えば、美容系サプリメントが人気という話を聞きます。さらにベトナム(特に都心部)は整形が盛んな国であることを踏まえると、ベトナムでは「そのままでも美しい状態」が目指されているのかもしれないと推測できます。
(こちらも是非ご一読ください:「ベトナムの整形事情」)
ベトナムの化粧 トレンド
とはいえ、全員がすっぴんという訳ではないため、ベトナムにも化粧のトレンドがあります。ベトナムには外国の化粧品が多い中、特に韓国の化粧品・韓国風メイク(主に、唇を濃い色で強調するメイク)が人気です。
韓国化粧品のベトナム市場参入は目を見張るものがあり、今年4月にホーチミンで行われた化粧品等の国際展示会(COSMOBEAUTE VIETNAM 2017)では、出展企業183社のうち、約40社程度が韓国系企業、更に展示会の韓国系ブースは装飾やPR方法にも工夫が見られベトナム市場での存在感を表していました。
ベトナム市場における、日本の化粧品
では、ベトナムにおける日本の化粧品はどうでしょうか?普段、ベトナムではあまり日本の化粧品は見かけません。デパート等では日本の高級化粧品がありますが、薬局などで安い化粧品はあまり見かけない、というのが筆者の感覚です。実際、前述の展示会では、日系企業はわずか2社と、日本の化粧品の浸透はこれから、ともいえるのではないでしょうか。
最後に
ベトナム人の美意識を踏まえた商品を、日本の「安心・安全」のイメージとともに展開させていくことができれば、ベトナムの化粧品市場に日本の風を吹き込むことができるのかもしれません。ただ、いくら日本の商品が高品質でも、やはり高額であると売れないのも現実です。化粧を楽しむ若年層の手が届く価格設定が重要となってくるでしょう。ベトナムの市場に進出をご検討されている企業様、並びに在ベトナムの筆者のような日本人向けにサービス展開をご検討中の企業様がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
今回はこの辺で失礼致します。
(参考・出展)
*1:矢野経済研究所 「ASEAN 主要 5 ヶ国化粧品市場に関する調査結果」 (2015年)
*2:矢野経済研究所 「化粧品市場に関する調査を実施」(2016 年)
*3:アジアクリック 「化粧に関する習慣について」(2016年)