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【ブログ】ベトナムの物流

AGSビジネスマッチング部の三木です。

先日日本から国際郵便が届きました。

1週間かからずに荷物が正確に届く事に改めて感心しました。

今回はベトナムの貨物輸送サービス事情について書かせて頂きます。

1. ベトナムの物流事情

まずベトナムの物流業界の概要です。

現在ベトナムには約1300社の物流企業があります。ほとんどが限定的なサービスであるものの、堅調な経済成長、貿易活性化に伴って多くの外資企業が進出しています。

他の業界と同じく右肩上がりで成長しています。

主なべトナムの物流サービスは以下の通りです。

・貨物輸送サービス(海路、陸路、空路)

・フォワーディング

・倉庫

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図1:ベトナムにおけるTOP100物流企業のサービス比率
(出所) Biinform Database


2.貨物輸送サービス(海路、陸路、空路)について

上記グラフのとおり一番主なサービスである貨物輸送サービス(海路、陸路、空路)について書かせて頂きます。

・海路:南北に長いベトナムには、多数の港湾が点在しています。

特に北部ハノイと南部ホーチミンには多くの港湾があり、年間約3万隻の船が出入りしています。

ハイフォン港(北部)→コンテナ取扱料も着実に 増加しているものの、水深 8 メートルしかなく、大型船が入れないことが問題となっています。

ダナン港(中部)→水深 10m 以上であり4.5 万トン級の船が入港可能。

南部や北部の港は特定の港に集中しているが中部は各港に分散しています。

ホーチミン港、カイメップ・チーバイ港(南部)→香港や上海経由日本向けの中距離や欧米向けの長距離向けの場合に使用されています。

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図2:主要港湾の貨物取扱量推移(単位100万)
(出所)ベトナム港湾協会

・陸路:ハノイ~ホーチミンは約1700KM、途中のハイバン峠により陸路輸送の難所でしたが、日本のODAによりハイバントンネルが開通し約3日での輸送が可能となりました。

また、2020 年まで に新たに 21 路線、総延長 6,141km を整備する高速道路開発基本計画が 2016 年 3 月に首相承認さ れています。

しかし、道路工事に当たって地元住民との交渉難航、産業道路と生活道路の区分整備不足、多くの車両の通行による渋滞など数多くの問題を抱えています。

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図3:ベトナムのハイウェイ地図
(出所)国土交通省

・空路:北部のノイバイ空港(ハノイ市)、南部のタンソンニャット空港(ホーチミン)、中部のダナン空港の3空港があり、南部では、新しい国際空港の建設が計画されています。ホーチミン市街から約 40km 離れたドン ナイ省のロンタインでの新空港建設が計画されています。

空路での輸送に関しても他の輸送と同様に右肩上がりで推移しています。

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図4:輸送貨物量の推移
(出所)べトナム統計総局


3.外資の参入

以前物流サービスに関して外資系企業は国内企業との合 弁という手段を取っていましたが、2014 年以降は WTO の規定により外資規制が解除され、100%外 資に開放され、進出可能となっています。

しかし、現在ベトナムの物流業界ではコストが問題になっています。

下記グラフのようにGDPに占める物流コストの比率の多さが大きな問題となっています。

この問題の原因である未発達な交通インフラや通関手続きの工程などを外資の力を借りながら、改善することでベトナムの更なる経済発展につながるのではないでしょうか。

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図5:物流コストのGDP比率
(出所) Armstrong & Associates

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弊社オフィスからも貿易船が見えます。

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