AGSインターン生の新井です。
先週の「ホーチミンへ飲食店出店への歩み~part2~」では、ベトナムのスタイルを取り入れて成功している寿司屋A社の成功要因の1つが、「立地」であることを説明しました。
今回のpart3では、もう1つの成功要因である「個性によるブランド力」について説明します。
まず、ホーチミンへ飲食店を出店する際に、なぜブランド力が重要なのかというと「遠くても、金額が高くてもこの店に行きたい」と思わせるためです。(そんなことは、あたりまえだろ!と言われてしまいそうですが…)
私個人の考えですが、ベトナム人の心理として「必要なものにはお金を惜しまず、不必要なものにはお金を使わず。」というものが非常に強いと感じました。特にその傾向は女性に顕著にみられます。
例えば、あるベトナム系企業のオフィスから昼休憩で出てきた女性社員達は、派手な洋服にシャレたカバンを持って、高いヒールの靴を履いており、ファッションに関しては、お金を惜しまずに使っているようでした。
しかし、昼食に向かった先は、その服装には全くふさわしくないローカルな食堂(写真の商店街の中)でした。
つまり、彼女たちにとって、ファッションはお金をかけるべきものであり、昼食はお金をかける必要のないものとして分類されているのです。
一方で、誰もが社名を知っているような、ある外資系企業のオフィスから出てきた女性社員達は、先程の女性達と同様に、ファッションにもお金を費やしていますが、昼食にもお金を費やしていました。わざわざタクシーを使ってオシャレな飲食店へ向かう人も多くいます。
つまり、彼女たちにとっては、ファッションも昼食もお金をかけるべきものとして分類されているのです。
このように、お金を費やすべきものかどうか明確に分類するという心理を、ベトナム人は持っているのだろうと、私は考えています。
そのため、part2で記した「立地が良くないにもかかわらず、繁盛しているA社のY店」は、まさに、遠くても値段が高くても、お金を費やして行くべき店として分類されているのです。
そして、そのように分類されている理由が、A社とY店が「個性を持っており、一種のブランドを築いている」からです。
具体的にどのような個性かというと、
専門店(寿司メイン)
変に和のスタイルに固執しすぎていない
路面型のオシャレな店舗
多様な座席形態
比較的ベトナムにおける歴史が古く、寿司や日本食のパイオニア的存在でプレミア感がある
などの点を挙げることができます。
ただ、この中でどの要素が決定打となっているのか、または他にも要素があるのか突き止めるまではいたっておりません。
今後の調査で、それを突き止めていきたいと考えています。
AGSでは進出前の各種調査から、現地法人・駐在事務所の設立、進出後の会計・税務・監査・労務・法務等までベトナムビジネスにおけるトータルサポートを行っております。
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