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【ブログ】ベトナム 車市場

2017-09-25_113053
ベトナムといえば、「溢れるほどのバイクと渋滞」を思い浮かべる人は多いのでは無いでしょうか?実際、おびただしい数のバイクが都市の隙間という隙間を縦横無断に流れ、都心であれば特にバイクが主な移動手段になっていることが肌で感じられます。事実、ここベトナムでは、2016年時点でベトナム全国のバイクの車両登録台数は約4,500万台で、(注1)ベトナムの人口が約9200万人(2016年、日本国外務省参照)であることを鑑みると、1世帯当たり1台前後はバイクがあることが想像されます。「バイク大国」といっても、決して過言では無いでしょう。

しかし、車の存在感が増してきていることも確かで、車市場にまつわる様々な変化がベトナムでは起きており、目が離せません。そこで今回は車市場について紹介したいと思います。

市場の拡大

近年、ベトナム全国の一人当たりGDPは、2000年の約400USドルから、2016年には約2,000USドルを越えるまでに拡大し、急成長を見せてきました。経済成長を背景とした、所得の増加から、車を購入する人や将来的なニーズの増加も推測できます。とはいえ、所得の増加が直ぐに車の購入に結びつくとも言いがたい現実があるようです。というのも、ホーチミン市内に限って言えば、交通渋滞をすり抜けていくことのできるバイクのほうが、移動手段としては便利ですし、市内にはバイク用の駐車場のほうが圧倒的に多いのも事実です。また、車を購入する際には車の購入に対して、特別消費税(2018年から5%~150%)が課されるなど、車は高級品として扱われており、購入することはまだ一般的とは言いがたいです。

車よりもバイクが普及している為、車の免許を持っている人も少なく、私が「日本でバイクは運転したことが無いけれど、車はよく運転していたよ。」と言うと、驚かれることが多いです。

車購入のニーズ

ここベトナムでは、バイク大国であるが故の独特なニーズが存在します。

弊社が実施した車のニーズアンケート(ホーチミン市内20名 男女問わず)にて、「国産車と輸入車のどちらを選びたいと思うか?」という質問に対し、回答者の67%が輸入車を希望しています。その一方で、車を保有するにあたって、「その車の純正のスペアパーツは必要ですか?」の質問に対し、94%がスペアパーツが必要だと回答しており、輸入車の純正スペアパーツが国内で手に入ることは、車を購入する上で重要なのだと伺えます。(弊社調べ)

ベトナムでは、道端などでバイクのパンク修理サービスがあるなど、乗り物を直したりパーツを交換することが当たり前であるように伺えます。この文化を背景に、スペアパーツが重要視されているのではないかと推測することが出来ます。

市場を取り巻く環境

車市場に影響を与えると考えられることの一つが、関税です。ASEAN諸国から輸入される完成車の輸入関税率は、2017年1月1日より、40%から30%に引き下げられ、2018年には完全に撤廃されることになっています。(注2)

輸入車がより、ベトナム国内に輸入されやすくなるのと同時に、消費者にとってもこれまでより安く車を購入できるようになります。

ベトナム国内企業でも、車市場に変化が現れています。ベトナムの不動産大手ビングループ(Vingroup)は、今年9月に車市場に参入することを発表しました。乗用車の年内販売に向け、動き出しているとのことです。(注3)関税撤廃によって以前よりも格安な輸入車が国内市場に増加する前に、先手を打って車の販売に乗り出したとも考えられるのではないでしょうか。今後もベトナムの車市場から目が離せませんね。

今回はこの辺で失礼します。

渡邊



<参考>

Japan
Vietnam