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【AGS法務部ニュース】外国人労働者の社会保険加入に関する新政令の制定

2018年10月19日

文責:大橋 創

 2018年10月15日、政府は、ベトナムで勤労する外国人労働者に対する社会保険加入についてのガイドラインを規定した政令143/2018/ND-CPを制定しました。同政令は2018年12月1日に施行します。

同政令によると、現在ベトナムの公的社会保険制度である社会保険、健康保険、失業保険のうちの社会保険について、ベトナムで勤労する外国人労働者は①ベトナムの権限を有する機関により発行された労働許可証を取得していること、且つ②無期限労働契約又は1年以上の有期労働契約を締結していることを条件として加入対象となり、2022年1月1日より社会保険料の算定基礎となる給与の8%を当該外国人労働者自身が負担することになります。

現行法令上、公的社会保険料の使用者及び労働者の負担料率は以下のようになっています。
使用者 労働者
社会保険(労災保険)

17.5%

8%

健康保険

3%

1.5%

失業保険

1%

1%

合計

21.5%

10.5%

同政令の制定により、外国人労働者に関する社会保険の負担については以下のようになります(ベトナム人労働者については従前通り、上記表に記載された負担が発生します)。
  • 2018年12月1日から2021年12月31日まで
労働者負担:なし

使用者負担:合計負担料率(17.5%)のうちの疾病、妊娠出産基金(3%)及び労働災害、職業病基金(0.5%)に相当する3.5%
  • 2022年1月1日から
労働者負担:8%

使用者負担:17.5%

2022年1月1日を基準として、社会保険に関する8%の労働者負担が発生し、それまで3.5%であった使用者負担が17.5%に変更されます。

社会保険料算定の月給の上限は公務員給与の20倍とされており(社会保険法58/2014/QH13第89条3項)、現行は20×1,390,000VND/月=27,800,000(137,623)(べトナム中央銀行の公表する2018年10月19日の換算レートの売買中間値(202.00ND/円)に基づき算出)になります。この規定は外国人労働者に対しても同様に適用され、社会保険の給付内容、給付条件もベトナム人労働者と外国人労働者とで区別はありません。

使用者が、加入対象となっている労働者の社会保険料を納付しない場合には、7,500万VNDを上限として納付すべき総額の12から15%の罰金を課される可能性があります(政令95/2013/ND-CP第26条2項)。

なお、今後の法令の改廃により、2022年1月1月時点では上記社会保険負担料率、公務員給与等の割合、金額が変更、修正されている可能性があるためご留意ください。

以上

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