2021年4月1日、政府は企業法の一部条項の詳細を規定する政令No.47/2021/ND-CP(以下「政令 47 号」という )を発行しました 。 政令 47 号は 署名日より有効と なる同時に、 政令No.81/2015/ND-CP、 政令 No.93/2015/ND-CP、 政令 No.96/2015/ND-CPおよび決定 No.35/2013/QDTTg が無効となります。 政令 47 号の主な内容は以下の通りです。
1. 目的および適用対象(第1 条)
– 政令 47 号は、社会企業、国営企業、会社グループ、国防・ 保安企業および国営企業の情報開示に関する 企業法の一部条項の詳細を規定しています。
– 政令 47 号は、企業法第 2 条に規定されている企業、 企業の設立、管理、再編成、解散および関係活動に関連を有する機関、組織、および個人に適用されます。
2. 社会企業
a) 定義(第 2 条 1 項)
社会企業とは、企業法第 10条 1項に定める条件に該当する企業であり、固有の名称、財産、営業所を有し、法令の規定に従って設立または設立登記された、事業を目的とする組織を意味します。 Central Institute for Economic Management が 2019 年 3 月に公表したベトナムの社会企業の現状に関する調査報告書によると、ベトナムの社会企業が実施する事業分野は農業(35％)、 医療(9％)、教育(9％)、環境(7％)等となっています。 社会企業の登録書類、 手順および手続は、政令 No.01/2021/ND-CP 第 28 条に規定されます。
b) 責任(第 3 条)
社会企業は、運営過程において再投資のために社会・環境目標および「社会・環境目標の実施確約」に記載するその他の内容を維持しなければなりません。社会・環境目標が確約した期限の事前に終了する場合を除いて、 実施されていない場合、 または不十分に実施されている 場合、 社会企業は、登録した社会・環境問題を解決するために受け取ったすべての優遇、援助金および助成金を返還しなければなりません。
c) 財政援助(第 4 条)
・社会企業は、外国の非政府援助を受ける法律に従って、社会および環境の問題を解決する目的で外国の非政府援助を受ける ことができる 。
・社会企業は、財産、財政、または技術支援での支援を受ける ことができる。
d) 社会企業への転換(第 5 条)
社会保護施設、社会基金および慈善基金は、社会企業になるためのライセンスを発行した国家機関から書面による承認を得た後、社会企業に転換するためにすべての資産、権利および義務を使用することができ る 。
e) その他の内容(第 6 条)
社会企業は企業法に従って、 他の社会企業および他の企業と 分割、 合併する ことができます。
3. 国営企業
「国営企業」は、企業法第 88 条の規定に従って、国が定款資本のうち 50 パーセントを超えて掌握する企業、国が議決権付株式総数のうち 50 パーセントを超えて掌握する企業を意味します(企業法第 4条 11項)。 政令 47号は、次のように会社グループ内の各企業間の相互保有(the cross ownership)を規定しています。
・以下のような企業法第 195条 3項に規定されている 他の企業への出資、株式の購入または新しい企業の設立。
+) 新しい企業を設立するため、共に出資すること。
+) 設立した企業の資本金および株式を共に購入する こと 。
+) 設立した企業の会員および株主から資本および株式を共に受け取る こと 。
4. 国防安全企業
国防安全分野における国営企業の管理および運営は政府によって詳細が決定されるという企業法上の規定に基づき 、 政令 47 号において、政府は国防安全企業の詳細を規定しています。
・国防安全企業とは、 政令 47 号第 13 条に定める条件を満たし、 企業法第 217 条第 5 項に規定している 国防安全保障に直接奉仕する国営企業、または経済と国防安全保障を組み合わせる国営企業をいいます。
・以下の企業は、次の場合に国防安全企業として定義されます。
a)国防省と公安省により 国の所有者を代表して権限を行使する 一人有限責任会社である 。
b)政令 47 号に添付される 国防および安全保障に直接役立つ産業、セクター、または地理的領域のリストについて付録 1 で規定している事業分野、 業種、 および事業場所を有すること 。
c) 国防省または公安省から、国防安全に関する製品およびサービスを供給、または国防安全の実行を任命されること 。
以上
