2021 年 5 月 13 日、税関総局は、 税関の行政違反処分に関する政令No.128/2020/ND-CP 号の履行に関する公文書 No.2224/TCHQ-PC 号(以下「公文書 2224」という )を公布しました。 これに先立ち、 税関総局は、 税関の行政違反処分に関する 2020年 10月 19日付け政令 No.128/2020/NDCP 号の履行および行政違反処分の法令規定に関して、 各省・市の税関局からの意見を受領しました。 公文書2224 号は、当該意見に対しての税関総局の回答にあたります。
政令 No.128/2020/ND-CP 号の主な内容は弊社サイト(http://ags-vn.com/ja/news/39367.html )を参照ください。
公文書 2224 の主な内容は以下の通り となっていますが、 税関局の回答の中には質問で寄せられた見解のいずれかの立場を採用したと はいえないもの、 例示の事案における情報が不確定なために明確な回答を示していないものがあり 、個別具体的事案に則して適用や結論を検討する必要があり ます。
1. 政令 No.128/2020/ND-CP 号第 9 条 5 項について
陳情内容:
政令 No.128/2020/ND-CP 号第 9 条 5 項には、 「5. 本条第 1 項、第 2 項、第 3 項に規定する罰則は、個人が違反した場合は税関申告ごとに 500,000VND 以下、 組織が違反した場合は税関申告ごとに 2,000,000VND 以下が課せられる 。 」 と規定されています。
2021 年 1 月 18 日付け決定 No.166/QĐ-TCHQ 号第 10 条 5 項は「5. 政令 No.128/2020/ND-CP 号第 9 条、 第 14 条に規定された違反行為に対して差税額を決定する根拠は、 納税者の申告税額と、管轄者の税務査定決定の規定に従って支払われるべき税額または規定されたとおりに支払われるべき税額である 。 」 と規定されます。
上述の規定に対していくつかの見解があります。
・見解 1: 政令 No.128/2020/ND-CP 号第 9 条および第 14 条に規定する違反行為に対する 差税額は、 税関申告書に記載される (申告書における 商品の合計税額である。企業が誤った申告をして、 納付すべき税額が不足する 商品およ び企業が誤った申告して、納付すべき税額が超過する 商品を含む)。
・見解 2: 政令 No.128/2020/ND-CP 号第 9 条および第 14 条に規定する 違反行為に対しての差税額は企業が誤った申告して、納付すべき税額が不足するという商品項目である 。
実例:企業 X は 2 つの商品を輸入し、 1 つ目の商品について誤っ た数量を申告して、 納付税額が 50,000,000VND 不足し、 2 つ目の商品についても 誤って 数量を申告して 、 納付税額が50,000,000VND 過剰となった。
1 つ目の見解に基づくと 、 税関申告書の差税額は 0VND となり、企業 X は第 9 条 5 項に基づいて誤って数量を申告し、納付すべき税額が不足した行為に対して処罰を受けないことになる 。
2 つ目の見解に基づくと 、企業 X は、 1 つ目の商品に対して誤って数量を申告し、納付すべき税額が不足した行為がある ため、 当該行為は処罰対象となる 。
税関総局の意見:
政令 No.128/2020/ND-CP号第 9 条(第 5項を含む)の規定は、税務申告の規定に違反して納付すべき税額が不足した行為、 または税務申告の規定に違反して免税、減税、 還付、 非課税額の増加をした行為に対して適用される 。 申告にその他の誤りがある 場合は、 政令 No.128/2020/NDCP 号第 9 条の規定を適用されない。
2. 処分時効の確定、 企業が解散・破産する場合の違反議事録の作成、 処分決定書の公布
陳情内容:
(i) 処分時効の確定
行政違反の処分時効について、 政令 No.128/2020/ND-CP 号第 4 条は「2.その他の税関違反に対する罰則の期限は、本条第 1 項に規定されている場合を除き、 2012 年行政違反罰則法第 6 条と同様である。 」 と規定されます。
行政違反法第 6 条 1 項 b)号に基づいて、 「b) 本条第 1 項 a 号に規定する行政違反処分の時効の起算点は以下のように規定される。 終了した行政違反の時効は、 違反行為終了時点から計算される。 実行中の行政違反の時効は、 違反行為の摘発時点から計算される。 」
実例: 2018 年 1 月 1 日、企業 X は車の一台を輸入した。 専門的な検査結果を待つため、企業X の商品は持ち帰り保管した。 2020 年 1 月 1 日、 ベトナム登録局は、当該車がベトナムへの輸入に関する条件、基準、技術規制を満たさない旨の通知の発行したため、 企業 X は「条件、基準、技術規制を満たさない商品の輸入」という違反行為を行ったこととなった。
・見解 1:企業 X は 2018 年 1 月 1 日に輸入を行っておりこの時点で当該行為は完了している 。 そのため、現時点では 2 年間の行政違反の時効の処分時効が満了した。 処分時効を再計算するため、企業 X が(書類を提供しない、登録局による検査のために商品を提示しない等の)処分時効の故意による 遅延、 妨害の有無 を検討しなければならない。
・見解 2: 上述の違反行為は実行中であり、 2020 年 1 月 1 日においても処分時効は完成しない。
(ii) 企業が解散・破産する場合の行政違反記録の作成および行政違反処罰決定の発行
実例: 2018 年 1 月 1 日、企業 X は商品を輸入した。専門的な検査結果を待つため、企業 X は商品を商品は持ち帰り保管した。 2018 年 6 月 1 日、計画投資局は、企業 X が解散・破産した旨の通知を発行した。 2019 年 1 月 1 日、 ベトナム登録局は、 商品が条件、基準、技術規制を満たさない旨の通知の発行した。 違反事実の発覚前に違反行為を行った企業 X は解散・破産してい
るため、 税関当局は、 行政違反記録(違反対象の確定、 政違反記録の署名等)の作成において支障が生じる 。
税関総局の意見:
税関総局は、 行政違反処分法第 6 条 1 項 a、 b、 c 号、税関総局の 2017 年 6 月 26 日付け公文書 No.4208/TCHQ-PC 号第 1 号および具体的な事件の書類に基づいて時効を決定することを要請する 。 行政違反処分法第 58 条 2 項に基づいて行政違反記録を作成することを要請する。
税関総局は、 2021年 5月 30日までに省・ 市の税関が(i)、 (ii) に述べた実例と同様に機関で発生した件を統計、まとめることを要求する。
3. 行政違反処分法第 65 条の規定に従っ た行政違反処罰決定の発行について
陳情内容:
行政違反処分法第 65 条 2 項は「2. 本条第 1 項 a、 b、 c 号 に規定する場合に関して、 権限を有する者は行政違反処分決定を行わないが、 国家予算へ納めるために没収または流通禁止対象の行政違反の証拠の破棄と 本法第 28 条第 1 項に規定する 是正措置の適用を決定することができる。 」 と規定している。
実例: 商標を偽造した化粧品の輸入において、行政違反処分法 65条 2項に基づく処分が実際されなかったが、 化粧品は破損されており、使用できなくなっ ている 。
処分決定の公布について、 上述の規定によると、権限を有する者は、国家予算へ納めるために没収し、 是正措置を適用する のか、 または流通禁止対象の行政違反の証拠を破棄し、そして是正措置を適用する のか。
決定を公布する権限の確定について、 是正措置の適用の決定する場合、本条項に定める 決定の検討の権限を有する者は、 没収決定の検討の権限を有する者なのか、 または是正措置の適用決定の検討の権限を有する者なのか。
税関総局の意見:
・行政違反処分法第 65 条 2 項では、処分決定を公布しない場合、 権限を有する者は、 (i) 国家予算へ納めるために没収、 または(ii) 流通禁止対象の行政違反の証拠の破棄と行政違反処分法第 28 条第 1 項に規定する 是正措置の適用のいずれかを決定することができる。 状況に応じて決定様式 No.12(行政違反の証拠没収の決定)および決定様式 No.13(結果克服措置の適用の決定)2 つの様式を使うことができる。
・是正措置の適用について、 2020 年 10 月 19 日付けの政令 No.128/2020/ND-CP 号第 29 条、行政違反処分法第 42 条に定める処分権限には是正措置の適用権限も含まれている 。 税関総局は、各機関が具体的な事件の書類および上述の規定に基づいて法令の基準に従って事件を解決することを要請する。
以上